八つ当たり

台所
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 子が、朝から爆発した。
なかなか学校へ行く支度をしないので、弁当を渡しながら小言を言ったらぶちぎれた。


「ママはいいよね、仕事もないし。」


 それに返す言葉が無かった。

子からしたら、日がな一日、適当に家事をやりつつ暇を持て余しているように見えるのだろう。
小さな子どももいない、大家族でもない主婦は、洗濯物の数も違うし食事だって買い物だってミニマムだ。

IT企業でパートをしている時は、私を見る目も違っていたけれど。
あの、私を喜ばせてくれた作文を思い出す。
もっと頑張れば違ったのか?
ママのように頑張ろうと思ってくれたのか?
今回、転職に失敗し、たった一週間で退職した私を情けなく思っているのかもしれない。


ーあんたの為にー


 声に出しそうになるのを堪えた。
今は我が子のことを一番に、というのは親の勝手だ。
そして実際、子がいるいないに限らずあの職場で働けたかといえば、答えはNO。


なんとか登校した子。
弁当は、相変わらず完食出来ていない。
どこで食べているのか?他クラスの友達と食べていると聞いたけれど、本当にそうなの?
八つ当たりされても尚、子が心配で仕方がない。
心身ともに、家族が元気でいること。
その土台作りには、どうしたって母親に比重が掛かる。
共倒れている場合ではないのだ。




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隣の芝生
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