老眼

老眼鏡 わたし
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 ここ最近、ぐっと目が悪くなった気がする。
仕事柄、PCを使う頻度が多くなったからか、PCから書類、書類からPCへ視線をうつすと一気にぼやけてしばらく焦点が合わない。
無理に合わせようとすれば、頭痛までする。

仕事帰り、立ち寄った眼鏡専門店。
老眼鏡コーナーへ行き、それぞれ度数別の眼鏡を試しに掛けてみる。

「何か、お探しですか?」

 背後から店員に話し掛けられ、悪いことをしている訳でもないのにビクっとしてしまう。
しまいには、

「いえ。大丈夫です。」

 試着もそこそこに店を出る。
他人に眼鏡をかけたところを見られるのが恥ずかしいのだ。
だが、あちらからすれば、初対面の私なのだ。
裸眼であろうが眼鏡を掛けていようが、どちらの私が素なのか分からないのだ。
なんて自意識過剰なのだろう。

 眼鏡を掛けた自分を鏡で見た時、ただでさえ地味顔なのに更にそれに輪を掛けて野暮ったく見えた。
どんくさいというか、とてもじゃないが眼鏡をお洒落で掛けるなんて無理。
素敵ママが時々すっぴんに眼鏡を掛けていたことをふと思い出した。
すっぴんを隠す為なのかお洒落なのか、黒縁眼鏡を掛けた彼女はまた別の意味でラフなお洒落を楽しんでいた。

老眼鏡を見て回るつもりが、なんだか途端に面倒になる。
結局、スーパーに寄り、卵と牛乳、それにおつとめ品のバナナを買って帰った。
老眼鏡はまたの機会にしよう。まだ、イケる。


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