はっと気付けば、七夕。
子が幼い頃は、笹を取って来て、折り紙で飾りを作って短冊に願いを書いた。
いつからか、そういうイベントはこの家の中で消失し、スーパーの広告で七夕メニューの素麺や刺身なんかが特売されているのを目にし、あぁ、そういえば七夕だなと思い出す。
スーパーの店頭に飾られている笹、色取り取りの短冊に、どこかの誰かが願いを書いている。
そういうのを見るのが好き。
ースイッチ2が当たりますように!
ーバスケの公式戦で勝てますように☆彡
ープロサッカー選手になれますように!
ーお笑い芸人になれますように!
ー推しに会えますように♡
そんな可愛い夢ある願いごとに混じり、
ー物価が下がりますように
ー給料が増えますように
ー株で成功しますように
ーパワハラ上司が飛ばされますように
ー子ども達の未来が、明るいものでありますように
ー戦争がおきませんように
厳しい生活や昨今の国際情勢を反映した切実な願望。
こんなところで願掛けしても、叶う訳ないとみんな分かっていても、書いてしまう。
藁にも縋る思いなのだ。
先が見えないことに、夢と希望を感じられていた昔。
今は、見通しがつく未来に安心感をおぼえる。FIREを目指す若者が多いこともその一例だ。
ー家族が笑顔で過ごせますように
ー好きな人と結ばれますように
ー健康第一!
ーみんなの願いが叶いますように
ありきたりだが、心温まる願いに笑顔がこぼれる。
想う人がいるということ、その星は尊く煌めいている。