厳しい言葉

花火
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 耳を澄ませば、外からかすかに花火の音が聞こえる。
そろそろ夏も終わり、焦燥感をおぼえる音でもある。

 塾の面談で、このままの学習進度だとまずいと伝えられた。
夏もお盆終盤、自宅ではがっつり勉強をしている子を見て勝手に安心していたのだけれど。
その内容が伴っていなかった。
チューターが子の為に練りに練った夏休みの学習計画。その進度が未達だという。
パーセンテージで示せば、65%といったところ。
子も、隣で肩を落とす。つい私は、子を庇うようなことを言ってしまう。

「家では殆ど休憩も取らずに頑張ってます!食事やお風呂以外は、ずっと部屋にこもっててー」

「いや、それは受験生だから当たり前なんですよ。」

 面談は、私の苦手とする男性講師。ちょっと威圧的で、愛想も悪い。子も苦手なのか委縮しており、講師から聞かれたことには答えるけれど、自ら質問をしたりはしない。

総合型を考えている子だけれど、出願スケジュールを合わせていくのが大変。専願・併願といったところの縛りもあるし、子が志望するところの評定若しくは何かしらの資格ー英検2級だとかその他突出したアピール出来る学生生活だったり課外活動の成果が必須。そのどちらも保持していない子はやっぱり一般で考えた方が良いのではと今回の面談でも言われてしまった。

 「ダメ元でもいくつか受けて、それで駄目だったら一般にしたいんだよね。」

 チャンスはいくつでもあった方がいい。
でも、親からみても子の志望校や学科は統一感が無い。なんだかぼんやりしている。
知名度だけで選んでいるのかとも思う。
これといった動悸がなく、ただ知名度で選ぶ志望校。それでは総合型は厳しいと講師に言われ、親子共々返す言葉が無かった。





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