花山さんの仕事は完璧だと思っていた私だけれど、そうでもないらしい。
彼女が先週した作業がミスだらけだったようだ。
「花山さん、早くやればいいってもんじゃないのに。これもこれも違ってますよ。」
木佐貫さんが、同意を求めるよう米田さんに向かって言う。
米田さんも、やれやれといった感じ。
「急ぎじゃないよって伝えたんだけどね。別にそれ、今週でも良かったし。彼女、自分流にやり方変えたりして仕事出来ますアピールか知らないけど、出来てないから(笑)」
こういう時、社員しかおらずパートは自分だけの時、物凄く気まずい。
自分が直接文句を言われている訳じゃないのに、パート代表として責められている気分になるのだ。
「黒ちゃんみたいに、もっと落ち着いてこなして欲しいよね。言われたことを言われた通りにやってくれたらそれでいいんだから。」
ーパートなんだから、社員みたいに出しゃばったりしないで言われたことをロボットのようにやってくれたらいいんだよー
きっと、そう思っているに違いない。
花山さんも、彼女達の悪口は散々私の前で言うし、自分は仕事が社員より出来る、社員並みにやっていると日頃から文句ばかり。米田さんや木佐貫さんは仕事が出来ない、Excelも社員の癖に使えてないとバカにして笑っている。
だが、互いに置かれた環境も業務内容も何もかも違うのだから、比べることはナンセンスだ。
立場をまるっと入れ替えたら、案外ーということだってあるのだから。
そんな双方に対し、まるで合わせ鏡、同じ穴の狢だと思う。
一度、面と向かってやり合えばいいのに。
陰口・悪口・お互い様
仕事