脱奴隷

結晶 家族
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 義実家との旅行の件で、義姉から電話が私に直接かかってきた。
結局、スケジュールが合わず、勿論、今からなんて希望の宿が取れるわけもなく、なので我が家抜きで行くことになりましたーという別にどうでもよい報告だった。
夫も年度末で仕事が立て込んでいるのだ。仕方がないのに。

「花子、随分と我儘になったわよね。前はそんなんじゃなかったのに。あなた、もうちょっと娘のしつけをしっかりした方がいいわよ。」

 長女だからか、妹弟や姪甥だけでなく、嫁に対してもずけずけと説教じみたことを言う。なかなか顔を出さない姪にしびれを切らしたのもあるのだろう。言いたいことが出来ればすぐに発しないと気が済まない質なのだ。
ウザイ。


「でも、もう大学生ですし、友達との付き合いもあるので。私達家族でもなかなかどこかに行くことなんてないんですよ。」

「え?それはしつけの問題じゃないの?うちの子達は、社会人になっても祖父母を大事にするし、そういった親戚付き合いは大人として参加させますよ。いや、その前にうちの子達は進んで参加するけど。社会に出たら恥をかかないように、最低限、そうったことを教えるのは親の義務だと思うけど。」

「そうですね。でも今の時期はカズヒロさんも仕事が立て込んでいて。もう少し経てば落ち着くと思うんです。そうしたら・・」

「あなた達、パパ達からどれだけ援助して貰ってるか、分かってる!?」

 ドンキで頭を突かれたような衝撃。
忘れる訳がない。援助ー夫の自営の為に、義父がかなりの額を出したこと。義姉はいつでもこれを切り札にする。出した張本人でもないのに。

「たまには、あなた達が企画してよ。いつも私達ばっかりなのっておかしくない?ずっと黙ってたけど、なんでいつも受け身なんだろうって。カズは末っ子で気が利かないのは仕方ないけど、そういうところをフォローするのがあなたの役目なんじゃないの?」


「あの・・私は私なりにやって来たつもりです。病院の付き添いとか食事作りとか、出来る範囲で困った時はお手伝いさせてもらってました。援助の件についても必ず返済するつもりですし。お義母さんの体調が悪くなってからは、そういったお誘いは逆にプレッシャーになるのかなと思って出来ませんでした。」

 我慢出来ず、こちらの言い分を出来る限りソフトに伝えた。悪いと思っていないのに形だけ謝ることはもう沢山だ。
思わぬ義妹の抵抗に一瞬怯んだのか、義姉の息をのむ音が聞こえた。
もうどう思われたって構わない。私は彼女達の奴隷じゃない。

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