専業主婦、車を買う

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 N恵が車を買ったと母から聞いた。
先日のランチの時、子どものことに加えて、伯母の病院付き添いでへとへとだとこぼしていたN恵。仕事は娘のお受験の為、いったん休んで株のトレードをして稼いでいる彼女。
久しぶりに動画を観たら、再生回数はだいぶ伸びており、そのノウハウを記事にして売ってもいるようだった。だからコースのランチを私に奢るなんて言っていたのだ。それにしても、日々、数百万円下がった上がったと言っている彼女は同じ従姉妹でも別世界の住人に思えた。

「あの子、自分専用の車買ったみたいよ。塾や姉さんの病院送迎で車使うこと多くなったのと、旦那さんも車使う日があるからね。すごいわよね。」

 羨ましいという言葉を飲み込むように、だがやっぱり圧を感じる。弟だって送迎出来るのに、平日の日中は仕事を始めて無理。だから旦那の生活費で悠々自適に見えるN恵のような融通の利く娘がいる伯母を羨ましく思うのだろう。


「あんたも、車の免許くらい持ってたら良かったのに。ほんとに行動範囲が狭いわよ、まだ若いのに年寄臭いったら。」


 免許は色々な事情があり、取るのを諦めた。何度か挑戦しようと思ったが、あの頃は事故を起こすリスクがどうしても高く思えたし、医者からも辞めた方が良いと止められていた。時が経てば、可能になったかもしれない。だが、段々とどうでも良くなり、車がなくてもこれまで生活が出来ていること、勿論、夫からも何度か嫌味を言われたことはあったけれど、その瞬間我慢すればいいやと遣り過ごし、この年まで無免許で生きて来たのだ。それは母だって同じだろうに。


それにしても、車を買うなんて。N恵の稼ぎがどれ程なのか想像し難い。私の年収のーいや、下手したら私の夫よりも何倍も稼いでたりして。だって、毎日、数百万もの金額を動かしているのだから。
一見、専業主婦に見えるN恵だが、そこら辺の正社員よりも頭が切れ、稼ぐ力を持っている頭脳明晰な従姉妹なのだ。



 

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