仕事納めの日が忘年会だという。
しかし、その日はパート休み。
その為にわざわざ出向くことが憂鬱だし、更に皆は職場から店に直行するので和気藹々としているのだろうけれど、私はたった一人で現地集合。
なんだかな、という感じ。
小川さんには行くと返事をしてしまったし、出席扱いになっているのだけれど。
発熱とやら嘘をついてドタキャンしてしまおうかと考えている。
パートの私が一人休んだところで、何も変わらないだろうと。
無責任だろうか?
コロナ禍でそういった集まりが無くなっていたことで清々していた人も多いだろう。
しかし、それは長く続かない。
人と人との繋がりー、人生で一緒に過ごす時間が長い職場の仲間。
仕事を離れて、その人となりを知る機会に、こういった集まりが大事。
仕事を円滑に進める為にも。
忘年会に新年会、会社によっては社員旅行。
面倒だけれど、親交を深めることでより一層仕事のパフォーマンスを上げることが期待される。
しかし、それは社員限定でのことだ。
時給で雇われているアルバイトやパートは、やはりどうしたって蚊帳の外だし、微妙な立場。
タダ働き―的な思考に陥ってしまう。
きっと、行ったところでよく分からない話に相槌を打ち、愛想笑いをし、何を食べたのか飲んだのか分からない緊張状態の数時間を過ごすことになるだろう。
もしくは、誰とも話さず話を振られることもなく終わるかもしれない。
まさかと思うが、席順が今の席とかぶっていたらそうなるだろう。
幼稚だと思うけれど、トイレで遭遇した時、小川さんに席順を聞いてみた。
すると、予想外の答えが返って来た。
「それが、私も分からないんです。いつも当日行ってみて分かるんで。ドキドキしちゃいますよね。」
まったくドキドキしていないだろう笑顔でかわされた。
きっと、小心の私に共感ポーズを取ってくれたのだろう。
彼女の方が精神年齢が高いのだ。