ダンス!ダンス!

ダンス
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 もうすぐ学校の面談が控えている。志望校を本格的に絞る時期。
指定校推薦は、2年時の出席率が悪いことから出願不可だが、総合型選抜は受ける大学によっては評点が良ければいけそうだ。
先日の中間テストの結果が、思ったより出来ていたようで、評点が上がったのだ。
これは嬉しい想定外で、本人も喜んでいた。
たまたま、ヤマが当たったらしいのだけれど、運だって立派な実力。

「総合でやってみて、無理だったら一般って感じがいいと思うんだけどさ、塾からは一般一本にした方がいいって言われるんだよね。」

 対策が違うと言われたらしい。
どっちつかずになるとも。
これまで一般受験という前提で勉強をしてきたのに、総合型での対策をするとなると、その時間は一般受験での対策に充てられないし、そもそも塾側では総合型での対策はしていないのだ。
総合型選抜専門の塾に通った方が良いのかーと子も悩み始めた。
夫に相談すると、

「部活もやってないし、英検だって持ってないし、一般じゃないと厳しいだろ。」

 バッサリだった。
そして、自分がかつて一般で苦労しながらも合格をつかみ取った栄光を語り始めた。
確かに、誰もが知る難関大学に合格した夫だが、今、それを子に自慢したところでどうなるのか。
総合型がいいと言っているのだ。

 だが、そんな私にも知識が無く、総合型選抜について色々ネットで調べていたら頭が混乱してしまう。
果たして、いまだ志望校も絞り切れていないのに、面接でそれなりのことを伝えられるのか?
小論文だってあるのだ。
一年生、遅くとも二年生の頃から準備して来た子達に勝てるだろうか?
その大学が求める学生像に、今から近付けるのか?
そして、学部すら決めていないのに、面接で志望動機を聞かれたらうまく答えられるのか?
ノリで総合型に切り替えて良いものかー
結局、私も夫寄りの一般受験にした方がーと思い始めてしまう。


「何とかなるっしょ!」

 子は、驚くくらい楽天的だ。
今は学校が楽しいらしく、今月末にある体育祭の準備で忙しくしている。
ダンスを披露するらしく、その衣装を用意したり、家でもスマホで友達と話しながら振り付けをしていたり。
夫はそんな子の様子を見て、苦虫を噛み潰しているけれど、直接言えないので私に文句。


「あんなことしてる場合じゃないだろ。あんたからも、ちゃんと言わないと。下手すりゃマーチも厳しいぞ。」


 夫は夫なりに、義実家からのプレッシャーがあるようで、甥や姪の煌びやかな学歴に我が子を近付けたいのだろう。
そして、夫からしたら最低ラインのマーチがE判定という事実を知らない。
いずれそのことを伝えないとならないのだが、子から止められている。


「次の模試では絶対に判定上げるから!」


 そうなったらどんなにいいか。
狂ったように踊る子の後ろ姿にため息が出る。





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