娘の本音

カフェ
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 子の学校は修学旅行中。
予定通り、今週はずっと自習に徹していた我が子。
午前だけ学校へ行けば良いのだが、図書室で過ごしていたらしい。
家では普通を装っている子だけれど、スマホばかり気にしていた。


「みんな、TikTokにあげてるわ。バズってるんだけど。」

 
 子のスマホを覗くと、お揃いのパジャマ姿の高校生達がはしゃいだ様子でうつっている。
それを見て何と言えば良いのか困惑してしまった。


「盛り上がってるわ。」


 笑みさえ浮かべ、スマホを眺める我が子の本音が分からない。
そして、それを母親に見せる気持ちも。
修学旅行の欠席者は、子の他にも全クラス合わせたら10人程、同クラスでは一人だったが別クラスでは男女まばらにおり、それぞれが単独に自習をしていたらしい。


ー本当に、行かなくて良かったの?


 そんな問いをぐっと堪えた。
子が自分の意思で決めたこと。もしも後悔があったとして、それも人生勉強だ。
私だったらー、子の立場で欠席までする勇気は無かっただろう。
一人ぼっちだとしても、辛い思いをしても、欠席が知られた時の周囲の反応の一瞬の怖さに勝てそうもない。

 子の本音は分からないけれど、気分転換をしよう。


「今夜、パパもいないし外食しない?」


 幼稚園時代、ママ知り合いとも行ったことのある花屋カフェは、夜はとても雰囲気が良く、ディナーはビーフシチューやチーズフォンデュが美味しいと評判高い。
夫とは絶対に行かない店。

「うん、行く!」

 パート代一日分、これは生きたお金の使い方。
娘の本音は分からなくても、長い人生、そんなこともあったなって。
あの時、ママとご飯食べに行ったなって。
しょっぱい記憶の中にひとさじ分、美味しい思い出があればいい。

 

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