孫差別

スマホ 家族
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 義実家には、孫が全部で6人いる。
長女のところに3人、女子1人に男子2人。それぞれ優秀。3人とも医療系の道に進む為、学歴もそれなりのところ。
次女のところは男子1人に女子1人。ピアノコンクールで常に優秀な成績をおさめているあいちゃん。

 先日、義実家へ行った際、うちに渡すものがあったのに忘れていたようで、今度取りに来て欲しいという連絡が義母からあった。
義母は、リハビリを頑張ったお陰で、体こそまだ不自由だけれど会話はもう以前通り。近所の友達ともお茶したり、楽しくやっているのだけれど・・
ここずっと、義実家ではあいちゃんの話題ばかり。勿論、あいちゃんは努力の上にその才能を開花させたのだから皆から称賛されるに価するのだけれど。
義姉らはまあいいとして、義母まで有頂天になっており、新聞やネットの切り抜きのスクラップ、それに取り溜めた動画を義実家訪問の度に見せられ、もう頭はお花畑状態。
しかし、電話までもそれだから、なんだかうんざり。


「あいがね、今度のコンクールで・・」


 ちょっと前まで、長女の娘や息子の話ばかりだった義母。薬科大や医大に入った孫自慢とばかりに集まる度にその話題だったのだけれど。今ではあいちゃんの話ばかり。
皆で集まる時はまだいいのだ。他の孫もいるし・・
ただ、個人的に私に電話をする時までそれだと、まるでこの人は空気が読めない人なのだなと思う。
今、受験で精神的に追い詰められている孫のことなどすっかり頭にないのだ。
そうでなくても、元気にやってるか?くらいの一言あってもいいのに。
先日の集まりの時すら聞いてくることはなかった。義母にとって、私の子はどうでもいい存在。やはり、息子方の孫より娘方の孫の方が可愛い。いやー、もし子が男子だったら違ったのかも。家を継ぐという性で生まれなかった時点で、彼女の中でその愛着は育たなかったのだろう。

 それにしても、長々とあいちゃんの話を聞かされ、いつもなら愛想笑いですごいですねーくらいの一言を返すのだけれど、今回はそうしなかった。
低いテンションで、

「はぁ、はぁ、そうなんですか。」

 一方的に聞き流すことに徹した。
うんざり。病気になり、弱くなった義母だからと油断していたけれど、やっぱりあの意地悪な三姉妹を育てた母であり、プライドが高くブランド志向満載の女性なのだ。
きっと、ババ友らに孫自慢をしまくっているに違いない。
だが一方で、三女の件に蓋をしているようにも見えた。三女の挫折は、イコール義母の挫折でもある。
それに立ち向かう気力も体力も、病気持ちで老齢な今は無い。
孫の未来に希望を持つことが、彼女の生き永らえる糧となっているのかもしれない。

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