嫌悪感

風呂
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 夫が入った後の湯舟は、汚い。
だから、体に悪いと思いつつ一番風呂か二番風呂に徹している私。
しかし、昨夜はタイミングが悪く、夫が早々に帰宅したこともあり先を抜かれた。

体の芯まで冷たく、凍えそうな夜。
ゆっくり風呂に入り温まった体で布団に潜り込めば、ぐっすり寝られる。
しかし、水面に浮いている陰毛や垢なのか皮のようなものがたくさん漂う湯舟に入る勇気は無かった。
すくってもすくっても、どこからか湧いてくるのだ。

夫が生理的に無理になったのは、いつからか。
私が子を授かってつわりが酷かった時、食事の用意がなかなか出来ず、それを咎められた時か。
もう十数年前のことなのに、恨みつらみはいつになっても鮮やかに蘇る不思議。
お互い思い遣り、愛情持って接し暮らし続けていれば、汚れた湯舟すら愛おしく思えたのかもしれない。


 裏返ったままの靴下やシャツ、それを直す時。
忙しい中で作った弁当、少し残ったおかずに苛々させられる。子だって全部平らげているというのに。
逆の立場で、もし私だったら。
愛妻弁当を食べた後、感謝の気持ちで弁当箱を洗って返すだろう。
事務所に流しだってあるのだから。
洗面所のビシャビシャや、上げたままの便座。
夜食で食べたカレー、皿を水につけるくらい出来ないのかと思う。
翌朝、こびりついたそれを洗う人の気持ちを考えない。要するに、想像力が足りないのだ。
ちょっと腕を通しただけで洗濯機に入れる汚れ物、特に冬場は乾きにくく、雨の日なのに乾きにくいパーカーを着る夫。
私も更年期なのか、数年前は我慢出来ていたことが今は苛々が抑えきれない。

 嫌悪感。
一言でいえば、それ。
夫婦円満だったら、そういう面倒ごとも笑いのネタになるのだろう。





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