もう選挙はとうに終わったけれど、自治会の会長とその取り巻きが某宗教団体の信者なので、選挙前はお宅訪問が恒例行事の一つ。
ビラ配りから党の政策云々、ドアを開けると勧誘までされかけたことがあるので居留守を使ったり。
今回は、夫が在宅時でドアを開けたら、なんとお隣の針金さんがそのビラを配布していたのだというから驚き。信者だったのか?だからあんなに社交的且つ、人の出入りが多い家なのかと妙に腑に落ちた。
「俺はさ、あーいうの嫌いだからね。公私混同だろ。自治会の回覧ついでに選挙活動とか胸糞悪い。ビラは要らないって突き返したよ。」
夫は口も性格も悪いけれど、時々もっともなことを言う。
私が玄関先に出てしまったら、彼女の口車に乗ってしまったかもしれない。あの険悪な空気からようやく和解出来たのでこれ以上波風を立てたくなかった。
今朝、エントランスの掃除で針金さんに挨拶をしたけれど、無視された。
確かに目が合ったのにーあれは、夫が嫌な対応をしたからか?
それとも、選挙の結果を引き摺っての八つ当たり?
掃除終了後も、自治会役員らと輪になって雑談をしていたけれど。
あの人達全員、そういう仲間なのだと知った今、その輪に入れていない自分に後ろめたさはもう感じなかった。
人種が違う、ただそれだけ。
ただ、私や夫のように思う人達もこのマンションには多数いるだろうけれど、面倒なことはやりたくない消極的な住民ばかりだから、どうしたって舵を切るのは彼らなのだ。
文句があるなら、行動を起こさなくては何も変わらない。
ただ、そのエネルギーが無い。己の生活で皆、手一杯なのだ。