女性面接官

お花とコーヒー 仕事
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 朝からたっぷりとした雨。
だが今日は、午後から夫の会社の手伝いに行く。
いったん夫が自宅に戻り、家で2人で昼食をとってからという感じ。
とてつもなく面倒。疲れている。

 昨日の面接は、道に迷ってしまった。
事前に下調べもしていたのに、一本道を間違えたのか途中でパニック。
あたふたしつつ、グーグルマップを見ながらナビもするけれどぐるぐるとしてしまう。
早目に自宅を出たのに、もう無理ーと、慌てて会社に電話をした。
ワンコールで、愛想の良い女性が電話に出てくれて、迷って遅れることを伝えると、


「大丈夫ですよ。今、周りになにが見えますか?」


 真正面にある目立った看板を告げると、


「あ、もう近くですね。今、お迎えに行きますね。」


 そう言って、しばらく待っているとそれらしき女性がやって来た。
電話の彼女だった。
声の通り、柔らかい雰囲気の女性で、恐らく同世代。ちょっと安心した。


 案内されるままに面接へ。
廊下の突き当りにある角部屋に案内される。そして、彼女に誘導されて中に入ると既に男性が2名座っており、30代前半くらいのはっきりした顔立ちの女性が座る。
面接官はどうやら3名。


ー自己紹介をお願いします。

ー志望動機をお願いします。

ーパソコンスキルは、どの程度でしょう。ExcelやWordの基本操作は出来ますか?

もう他社で何度も聞かれた同じ様な質問に対し、テンプレ通りに答えて行く。
女性面接官がほぼすべて質問をし、男性面接官の一人はノートパソコンにカタカタなにか入力しているし、もう一人は腕組みをしながら渋い顔。
誰が偉いのかは一目瞭然だけれど、この女性はきっとこの会社では役職にでもついているのだろう。
突然、心臓がドキドキし、彼らと目を合わすことが困難になったので話し掛けて来る女性の上半身をじっと見る。
黒いブラウスに鮮やかなグリーンのパンツ。こんな原色を着こなすなんてきっとはっきりした人なのだろう。
ゴールドのチェーンネックレスがキラキラ胸元で揺れていた。


 面接時間は20分程度。
ようやく終わり、ほっとした。
自分の年齢と現実に付いていけず、それは若い頃の努力にきちんと比例しているものなのだと知りながら、でも足掻く。




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