初給料。
その明細は、とても重く神々しい。
7月からのこの2か月。長かったし辛かった。
そして、ようやくその対価を得られ、それを目にすると、頑張った甲斐があったと思えるのだ。
その額ー、89534円。あと少しで、大台の9万円だったのが悔しいけれど、久しぶりに自分の手元に大金が手に入った。
早速、ATMへ行き、端数の9534円は残してすべて降ろす。
パート代のうち、半分は家計に入れる。
結局、夫との話し合いでそうなったのだ。
給与はパートだし、家族の都合やシフト変更などで金額もまちまちだからだ。
4万円は家計ーやり繰り費には到底及ばないけれど、残り39534円のうち端数は貯金、携帯代や保険代、それに通院代と自分の身の回りに使う必要経費等。
夫は、子の塾代も出して欲しそうだったけれど、明細を見せたら何も言わなかった。
「いずれ、社員になったらだな。」
私から、4万円を受け取ると、来月のやり繰り費に合わせて再び私に戻す。
夫は、私が今の職場でパートから正社員に昇格出来るかもしれないと期待を頂いている。買いかぶり過ぎだ。あれ程、事務所で吉田さんからだって私の使えない状況を聞かされていただろうに。
そして、プレッシャーだ。
常に、頭の片隅では退職願がチラついていると言うのに。
それでも、初給料は嬉しかった。