好印象

マーガレット わたし
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 商業施設のエレベーターに乗っていた。
一人だったし、鏡を見ると、そこにはだいぶやつれきった自分の顔。
自宅の洗面台の鏡で見る自分とは、だいぶ違う。
くまとたるみ、それが酷い。
夜の電車やバスの中、窓にうつる自分の顔にもぎょっとする。

くまには三種類あって、青くまと茶くまと黒くま。私のくまは黒。メイクでは隠せないタイプのものだ。
表情筋のトレーニングとやらを、動画を観ながら真似してみたりしても3日ももたない。
口コミで評判の、ドラッグストアで手に入るアイクリームも効果なし。
恐らく、一番効くのは美容整形だろうけれど。そんなことをしでかすお金も無いし、お金があったとしてもそんなものに手を出したら夫にどう思われるか。


 仕事を始めるにあたり、それなりに小綺麗に印象を良くしようなんてガラにも無く思う。
初日が肝心。そこで嫌われたらアウト。
同期がいるとしても、女性4人で仕事をするのだ。仕事も大事だけれど、人間関係も大事。
まずは好印象を少しでも持って欲しい。
ふと、生え際の白さに気付く。これを何とかしなくては。
美容院へ行くかどうか迷い、でも美容師との会話や気まずい沈黙で疲れることを考えると、今はそのエネルギーなど無い。
市販の白髪染めを買って染めるのも面倒。
なので、スティックタイプの白髪隠しを買ってみた。

 オフィスカジュアルの洋服を久しぶりに出す。
変哲のない、ストライプの半袖ブラウスにネイビーのクロップドパンツ。
地味なくらいが丁度良い。
アクセサリーは付けない。
控えめに、でも地味になり過ぎず。
色々とシミュレーションをし過ぎてちょっと疲れた。







 

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わたし
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隣の芝生
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