ライブカメラ

歌舞伎町 わたし
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 全然寝付けず、何度もトイレへ行ってはお茶を飲みを繰り返していたら朝になった。
寝床でスマホからライブカメラを観ていた。
夜景でも眺めていれば眠くなるかもと思ったから。
真夜中だっていうのに、カメラ越しの街は思ったより活動的で、光は不規則に点滅していて。
こうして昼夜問わず働く人々がいることで、私達の日常は成り立っている。
そんな風に思ったら、何だか更に眠れなくなって、目がギンギンに冴えてしまった。

 夜の首都高ー、流れ星のような光を放って走るトラック。物流は止まらない。
スマホのボタン一つで完結する買い物の裏側がここにある。
新宿駅、もう終電も過ぎたのにまだ明るい駅前。
酔っ払いやカップル、休日出勤なのに終電逃したサラリーマン、様々な事情を抱えた人々がたむろしている。
タクシーで帰るのかそれともどこかに泊まるのか、明日ー、いや、もう今日からまた一週間始まるというのに。
函館の澄んだ美しい夜景には、心が震えた。
いつか行ってみたい街。
相模湖のライブカメラでは、スワンボートが雨風で煽られて可哀想。
カメラにも雨が叩きつけられているのだろう、映像が見えたり見えなかったりと鮮明ではなかった。
それに反し、歌舞伎町のカメラは眠らない。
まるで真昼間のような賑やかな通り、警察署のアナウンス。
肌が露出する服を着た女性が客引きをしていたり、数人の女の子グループがキャピキャピしながら歩いていたり、ギャルだけではなく普通の女子大生のような子達もたくさん。外国人もいる。
そして男女問わず一人で歩いている人も多く、これが19時だと聞いても信じてしまう。

 色々なライブカメラを眺めていたら、いつもこうして自宅で普通に寝床にいる自分が変わり映えなく詰まらなく思えてしまった。
勿論、今は主婦だし母親だし、変わり映えないことこそが家族に安心感を与える何物でもないけれど。
なんだか不良になりたくなって、急にわーっと夜中でも飛び出し街に繰り出したら面白いだろうなと思う。
もうすぐ50なのに、やればすぐに出来るだろう未経験なことが多過ぎる。
くだらないことでも、小さなことでも、まったく為にならないことでも。
ライブカメラを眺めていたら、なんだか色々やりたくなった。




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