子の制服採寸へ。
駅のショッピングモールの特設コーナーへ、なるべく人と会わない時間帯をねらって行ったつもりだけれど出会ってしまった。
孤高の親子だ。
子も、気まずい表情をしており、私は気付かないふりを装っていたけれど、ばっちり狭い更衣室で一緒になってしまったことで知らぬふりも出来ず。
孤高の人は、すぐに目が合うと声を掛けてくれたのだけれど・・
「やっぱり知り合いに会うよね~」
そう言いながら、彼女らの採寸をしている女性が持っている制服と採寸表でどこの高校へ行くのか分かってしまった。
都立高校でもレベルの高いところ。我が子よりもずっと。
孤高の人は、ちらりと私達の採寸担当の持っている制服を見たけれど、何も言わなかった。やっぱり気まずい。
そして、こうして我が子と他の子を比べている自分にも嫌気がさした。
子は、第一志望に合格したのだからいいじゃないか。
「リボン、選べるんだね。どっちにする?」
「あー、こっちかな。」
子も、Sゃんが気になって仕方がないのか、若干、試着も上の空でちらちらと視線を送り続けている。
すらりと伸びた細い体はまるでモデルのよう。ダンス教室をしている母親からの遺伝子をしっかり引き継いだ彼女は、ちょっと見ない間に少女から大人の女性に成長していた。
「Mサイズですね。」
採寸を終えた担当の女性に笑顔で告げられた。
普通体系の我が子は、サイズも普通。何もかも普通。これでいい。
普通ということは有難い。普通ということは、のびしろがあるということ。まだまだ我が子には輝かしい未来が待っているということ。