仕事始め報告会

ホチキス 仕事
スポンサーリンク

 疲れた。
仕事始めはまず、情けないことに私だけが暇。
いや、やることはあったのだけれど、別にそれは今じゃなくても良い作業だ。
主に、雑用。会議資料のコピー、ホチキス留め、延々と空いているミーティングルームで一人。
それに3時間費やした訳ではないけれど、時々は自席に戻り備品の注文。
勇気を出して、隣の花山さんに声を掛けた。

「何か、手伝えることないかな?」

 年が明けて、彼女の対応は少しだけ変化したように思う。
朝も彼女の方から挨拶をしてくれたのだ。これは素直に嬉しかった。


「じゃあ・・これ。このフォルダの中のExcelを全部PDFに変換して米田さんフォルダに入れてくれない?」


「はい!」

 ブライドなんてもうない。
同期から仕事を振られること、逆に同期だから上司に直接振られるよりも緊張感が薄らぐ。
言われた通り、黙々と50近いExcelシートをPDFに変換して米田さんフォルダに移動させていく。
この作業も、事務パートを始めて間もなくはちんぷんかんぷんだったことを思い出す。IT企業の事務を始めた頃だ。なんだかんだ、出来ないなりにも自分の中でのスキルは上がっているのだ。
キーボードをバチバチ叩きながら、だが花山さんは以前のように私や黒川さんに年末年始の出来事をべらべら喋る。勿論、社員が会議に出払っているからだ。
実家、義実家、友達と温泉やランチ、エステ、それに息子さんの彼女を交えて家族でカラオケ、初詣は友達夫婦とーとても充実した休みだったようで、それを聞いてまたモヤモヤする自分が嫌になる。
黒川さんは、まったく表情を変えず、だが若者らしく推しのカウントダウンライブに行ったり、やはり恋人や友達や家族と楽しいひと時を過ごしたようだった。

「芝生さんは何してたの?」

「うちは娘が受験だから、夫の実家に挨拶に行ったくらいで何も。夫の会社関係で年末年始は忘年会や新年会(夫だけだが)があったり、友達とも遊ぶ約束してたんだけど、インフルになっちゃってね。」

 ここでの友達はN恵のことだけど、まあいい。

「ご主人が自営だと色々やることあって大変そうだね~」

 充実しているかは分からないけれど、傍からみれば可哀想な年末年始ではなかったのだと思う。花山さんは、ちょっと面白くなさそうな表情をしたかのように見えた。


「ランチ、行く~?」

 まだ午後も仕事がある彼女達に誘われた。溝を埋めるチャンスかもーとほんの少し迷ったけれど、子に昼を買って帰る約束をしているからと断った。
仕事始め、まず人間関係はクリアしたようで一安心。
ただ、仕事が本当にない。無理やり作っている感じが否めない。それが自分だけならいいのに、他パートとの格差がまるで社員とパートくらいの開きになっているようで、それが辛い。

タイトルとURLをコピーしました