来月、持病の検査もあるので花山さんや黒田さんにシフト交換出来ないか聞いてみたが、生憎、2人共その日は予定があって無理だと断られてしまった。
花山さんに至っては、何度もこちらは交代してあげてるのにーともやもやしつつも、同じ時給?で私の方がきっと楽な業務を任されているのだろうなと想像すると我慢するしかない。
「有給出したら?使わないと勿体ないよ。
そう花山さんにアドバイスされ、その手があったかと有給届を出したのが先日のこと。
「芝生さん、ちょっと。」
人事課の人に声を掛けられ、別室へ。
届を返却されてしまった。
「芝生さんは、出勤率が8割に満たないんですよね。なのですみませんが今回は有給付与されていないんですよ。ですから、欠勤として処理しますのでもう一度訂正した諸届を出してもらえませんか?」
知らなかった。
無知は損をする。しかし、その計算はどうなっているのか?途中から週1~2になって、当初は週3~4の契約だった場合、どちらを母数にしてパーセンテージをはかるのだろう。
ふと疑問に思い聞いてみた。
ちょっと面倒臭そうな顔をした彼女。だが、眉間にしわを寄せながら、
「いや、勿論、変更後で出勤率は出してますよ。それで78%だったんですよ。」
がめついなーと思われただろうか。仕事も出来ない癖に、自分の権利を主張することは一人前だなと。
「この月、かなりお休みされていますよね。」
確かに、体調不良で休んだり子どものことでも休んだりと、少ないシフトの割に欠勤している月が多々あった事実を突き付けられて愕然とする。
「では、よろしくおねがいします。」
「あの、紙が勿体無いのでこれ訂正していいですか?」
良かれと思い伝えたのに、彼女はちょっとムッとした顔になる。
「いえ、書き直して下さい。」
私って、人を苛つかせやすい性質なのだろうか。
人事のこの女性、人当たりが良いと花山さんらから聞いたことがあったし、社長主催のランチ会議でも、役員連中のテーブルにおり、華を添えるかのようにこにこ穏やかな表情を浮かべていたーそんな印象があったのに。
私の目の前の彼女と同一人物とは思えないのだ。