梅雨入り

雨具 生活
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 いよいよ梅雨入り。
主婦にとって、ストレスの溜まる時期。
なにせ、汚れ物が乾かない。狭い家の中で部屋干し。
この匂いがむっとして家での居心地が悪くなる。

「おい、まだ乾いてないのか?」

 夫、お気に入りの服が生乾き。
仕方がないことなのに、苛々をぶつけられる。
最近、浮き沈みが激しく男の更年期的な夫に疲れる。
こういう時、私は貝になる。耳が餃子のように閉じるイメージを浮かべる。
そうすると、夫の声は遠のいていき、別のことに意識を向けるうちに彼の怒りもおさまるのだ。
まともに相手をしていたら、こっちも疲れてしまう。


「ママ!歯磨き粉が無いんだけど!」


 そうだった。買い忘れに気付く。
夫も子も、節約意識が低く、まだまだ残っているのに捨てて新しいものを買いたい傾向にある。
私だけが、馬鹿みたいにチューブの端からくるくる力いっぱい巻いて最後の一回分まで使い切る。
なので、常に洗面台には真新しい歯磨き粉と古い歯磨き粉が共存しているのだけれど、すっかり買うのを忘れていたのだ。
いや、正確に言えば、思い出すのがいつでも雨の日だった。雨の日は運転も出来ない主婦にとって買い物へ行くハードルは一気にあがる。


「ごめん。明日買うから。」


「えー。」


 じゃあ自分で買いに行きなさいよ、と言いたいのが本音だけれど、学校でうまくいっていない我が子につい甘くしてしまう。
先週もやはり元気が無かった。なんとか学校へは行くけれど、放課後の寄り道が無く、朝はため息が多い。
週末くらい、ゆっくりさせたいとまだ働いていない私は余裕があるのか思う。


 紫陽花が綺麗。
雨の音が心休まる。
珈琲が美味しく感じる。
引きこもりでも罪悪感がさほど生まれない。
梅雨は、良い面もあるのだ。


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