ルーティン外の憂鬱

煙 わたし
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 朝、起きてまだ5時。
窓の外はまだ暗く、携帯のブルーライトが眩しい代わりにもうひと眠り出来る安心感。
そして、今日は仕事じゃなかったんだとほっとすると同時に、父が入院している病院へ行かなくてはならなかったと頭の中で一日のタイムスケジュールをざっと反芻する。昨夜、眠りに落ちる前もやったのに。
ゆっくり出来ない日々に、疲労と苛々が募る。体が重く腰痛が酷い。こんな時に限って生理中。

 日々のルーティン外のことが苦手だ。
昔から、決まったことを決まった時間にきっちり行うことは人並に出来るのに、そうではない例外的なハプニングが起きると、途端にアワアワとし、空回って失敗したり周囲に迷惑を掛けたりと地に足がつかない。
ただ電車を乗り継ぎ病院へ行くだけのことなのに、その最寄り駅までの時刻表を調べ、到着時間から逆算して家のことや準備をする時間を計算し、それに沿って動くことが私にとってはとてつもないストレスなのだ。
なので、夫と子の弁当すら手抜きになってしまった。豚小間と玉ねぎを焼肉のタレで焼いてご飯の上に乗っけただけの焼肉風弁当。それにほうれん草のお浸しと卵焼きとプチトマトだけ。
昨日は子から箸が入っていないとラインがあったので、それは何度も確認したのだけれど。

 ゆっくりこたつに入り、珈琲を飲みながらワイドショーを観て過ごしたい。
そんな生活を10年前はしていたけれど、むしろ不満だらけだった。
人間って欲深い。
現状に満足出来ない。より良い変化を求めてしまう。
父は手術出来るただの怪我なのに。
年齢的に、治療を断られる病気や重い認知症、要介護の両親を抱える私と同じ世代の人々からしたら恵まれているはずなのに。

それでも、今の私のキャパでは荷が重く辛いのだ。
家族には言えない、言わない。だから、心の中でだけ胸に溜まった煙りを吐き出す。



 

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わたし
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隣の芝生
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