義実家訪問をした先日。
気が重くなっている。
三女が共に住んでいるのだが、だいぶ家の中が荒れていた。
聞くと、義父がヘルニアを悪化させたらしく身動きが取れない為、まったく家のことが出来ない日々だそうだ。
脳梗塞の前は、綺麗好きで細かしい義母が常に整頓された部屋を保っていたのだが、倒れてからは正直以前のようにはいかないらしく、三女も家事が苦手らしくみるみるうちに汚くなっている現実。
飲み食いする暇があったら、実家の片付けでもしたらいいのにーと口が裂けても言えない台詞が頭に浮かんだ。
「毎日毎日、買い物行ってるの。交代で。」
長女と次女が交代で買い物、それに掃除や洗濯をしているらしいが、三女は末っ子ということもあり同居している癖に何もやらなくてもいい立場。
義両親が聞こえないところで、次女が私に耳打ちする。
「実家が近いと大変。見ない振り出来ないからね。あなたはいいわね。弟さんに全部任せてるの?」
「いや、うちはまだ母も動けるので。」
本来は、足も悪く大変な現状だが、そうでも言わないとまたネツネチいびられるだろうと無難に返した。
3人も娘がいるのだ。それくらいやってもバチは当たらないだろうし、そもそも子どもが小さい頃は散々世話になっていた癖に、まるでそんな過去が無かったかのようになっている不思議。
大好きなパパとママが困っていたら、助けるのは当たり前ではないだろうか。
「作り置き、最近はもうしてくれなくなったね。」
三女がストレートにズバッと私に向かい言う。
目の前に、ワインボトルが2本も空いているので嫌な予感はしていたが、挑発的な視線。
乗ってはいけないー、へらへら笑いながら返す。
「気にはなっているんですが、最近私も体調が悪くて。仕事もあるしなかなか・・」
「仕事は私達もやってるけどね。」
なんて嫌な言い方をするのか。
長女の目が座っている。
「うちの実家も、色々大変で。お姉さん達のあちらの実家の親御さんはどうですか?」
私もグイっとワイングラスを飲み、ママ友と飲んだ後で酔いが加速したのか、だいぶ強気な発言をしてしまった。
そこで、記憶は曖昧になっている。
なんだか嫌な感じで義実家を後にしたのは覚えているけれど。
「ママ、なんか怖かったよ。」
後から子に言われ、あぁ、やってしまったなと思ったのと同時に、どこか清々した気分だった。