ぱーっと新しい洋服が欲しくなった。
定期的に、買い物依存の性質が蘇る。
だが、お洒落なショップにふらりと入って店員に声を掛けられながらの買い物は好きではない。
気楽に、一人でじっくりあれこれ吟味し、試着室を往復する服選びが好きだ。
しまむらなどが家の近くにあればいいのだが、生憎ない。実家の最寄り駅近くにはあるので、先日実家へ行った帰りに寄り道した。
しまむらは、ユーチューバーが紹介していたりテレビでもよく特集が組まれていたりで気になっていた店。掘り出し物があるという。それに、財布に優しい。三桁で買える服もあるのだから、下手したら古着より安いものをゲット出来るかも。
店内に入ると、客層に驚く。私のようなおばさんからお年寄り、それに我が子と同じくらいの世代まで。商品もバラエティに富んでいる。また、体型に合わせたラインナップ。
大きめサイズではデザインがどうなんだろうと思ったが、今時のセンスある服をまとうマネキンに驚かされた。
目を皿のようにして、片っ端から着たいものを買い物かごに入れた。
ブラウスやTシャツ。それにパンツや薄手のカーディガン。ちょっと冒険して夏用の涼し気なスカートも入れた。
試着室は簡易的な感じで、何かの間違いでカーテンが開きはしないかと不安だったが、試着に夢中になるとそれもどうでも良くなった。
プチプラ商品なのにシルエットが今時なので、自宅のクローゼットにある自分の服に比べると魅力的。
780円のブラウスに袖を通す。
あれ?なんか太って見える?これは駄目だ。
続いて、980円のTシャツ。
うーん、なんか丈感がダサい。
そしてスカート。
下っ腹がポッコリ目立ち、まるで妊婦。
最後にカーディガン。
仕事着にと思ったが、しわになりそうで却下・・
すべて元ある場所に戻し、再度数点を試着しては戻しを繰り返すこと3回。
気付けば喉はカラカラでどっと疲れ、試着室の目の前には、髪もボサボサにやつれた半裸の熟女が佇んでいた。
結局、何も買わないまま店を出た。
でも、楽しかった。
まるで着せ替え遊びをしたようで、ネットで服を見ながら妄想ショッピングも好きだけれど、リアルな試着は時を忘れる。
試着遊び
