今後について

石
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 合格発表の日。
夫はそわそわしつつ、だが子の口から結果を聞くのだと言って、敢えて自分のスマホで確認することは控えたようだ。
休日で家族全員揃っていたけれど、発表時間直前になり子供部屋にこもった子。

少しして、リビングにそろそろとやって来た。その表情は暗い。
あぁ、落ちたんだなーと内心残念に思いながら、その時の為に用意しておいた明るい笑顔で子に声を掛けた。

「どうだった?駄目だった?」

 その続きにー大丈夫、まだ総合型選抜受けられる大学はあるし、一般だって頑張ればいいじゃないー
そんな言葉を心の中で反芻していたのだけれど。

「受かってた。」


「え?良かったじゃない、おめでとう!」


「でも、oo大学は落ちてた。」


 お守り校に合格していた。だが本命は落ちたのだ。
子の表情は終始曇りっぱなしで、それは夫も。私はお守りでも合格したことはすごいと素直に思ったし、私の価値観ではその大学は決して悪くない大学で、義実家はじめ夫らが最低でもMARCHと言っていたレベルよりは下がるけれど、私が卒業した短大よりはずっとレベルだって上なのだ。
なのに、昨日はずっと家の中は暗く、夫も子も今後について話し合い、子は受験勉強の疲れもありぼんやりしていて、その中で出した決断は、お守り校には行かないーそんな選択だった。

じゃあなぜ受けたの?と受験制度に明るくない私は思うけれど、塾側も夫も、やっぱり目指せるのであれば少しでも上のランクをーという願い。しかし子の本音は最後まで分からないままだった。
ここで受験を終わらせるという選択もあるのだけれど、それは逃げーという空気が家の中だけでなく子の周囲に漂っていることは明白だった。

 まだまだ受験は続く。
だが、これまで総合型選抜の対策しかしていなかった子だから、ここから一般選抜への切り替えは並大抵の努力では足りないだろう。
果たしてそれに耐えられるかーやるしかないのだけれど。


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