夫が呟いた一言。
「俺の夢だったんだよな。子どもが出来たらオリンピックに連れてってもらうの。」
果てしの無い夢だ。というか、まずは自分がそうなれるように努力したのかって話なのだけれど。
思わず、子がその場にいないことを確認した。
子が誕生した時、親なら誰しもその子の健康と幸せをただただ願う。だが成長に伴い、我が子に少しでも何か秀でたものを見付けた時、親として最大限にその才能を伸ばし活かしたいと思うだろうし、そして期待をする。それは、純粋に親から子どもに向けられた愛情によるものからのスタートだ。そしてその期待に子どもが応えることも、また子どもから親への愛情返しだ。
だが、大半の人間は自分の理想と現実とのギャップに気付き、挫折し、そもそも挫折にまで辿り着かずに諦め、妥協する。でもそれが成長でもあり、自分自身を知り、そしてまた受け入れるということだ。
メダリストまでいかずとも、若いうちに頑張り努力し何かを得た人々は、その後の長い人生において若かりし頃、成功した自分自身に支えられる。
子の入試はまだ残っているし、未来だってまだ決まった訳じゃない。支えはまだまだこれから固めて行ける段階で希望がある。
メダリストの親
家族