子の卒業式。
天気は晴れ。
広い体育館に、こうして保護者として出席するのは最後なんだなと思うと感慨深い。
高校にもなると、小・中学校の時とは違い、両親揃ってという感じでもなく。
母親だけ出席しているパターンも多く見られた。
吹奏楽部の合奏とともに、子ども達が入場して来た。
子のクラスが呼ばれ、目を凝らし探す。私同様、夫も隣でスマホを手に撮影。こういう時、私達は我が子の両親であると同時に、人生のパートナーなのだなと思う。普段はまったくそんな風に思えないのに。
卒業式授与。厳粛な空気の中、子の名前が呼ばれ、それに応える馴染みのある声。
なんだかぐっと、涙が滲んだ。
式の最中、卒業生代表の言葉や校長の言葉を聞きながら、私は子が誕生した時から今日までを振り返っていた。長いようで短い、そう感じる子育て。子どもを持つことで得られた喜びと苦悩。だが今は、胸を張って喜びの方が大きいと言える。我が子授かって良かった。
子のお陰で、私の人生はカラフルで生きている実感を得ることが出来たのだ。これまでも、そしてこれからも。
式が終わり、花道を通る生徒達。
子の姿に、大きな拍手を送る。
友達に囲まれながら写真撮影をしたり卒業アルバムにメッセージを書き合ったりと忙しそうな我が子を見て、夫が呟いた。
「花子は、人徳あるんだな。」
どこか誇らしげな夫の声。そして私も同じことを思っていた。
勉強よりも何よりも、突出したものがなくても。
ありのままの姿でいられる友達を得たこと。それこそが高校生活においての宝物だ。
そしてこの日を境に、彼らと共に日々を共有して来た絆は変化する。
その時代、その時を過ごした仲間。同じ思い出を共有する絆となる。
卒業、おめでとう。
輝ける未来へと、羽ばたいて欲しい。
飛翔
娘
