チャイムの音に気付き、ドアスコープを覗くと針金さん。
だらしのないパジャマのような恰好だったので、ちょっと待ってとバタバタボーダーシャツにジーパンと着替えてドアを開けた。
またお裾分け?と思ったら、とびきりの笑顔で頼まれごと。
次年度の役員をやってくれないかという打診だった。しかも本部。
これまでは本部の下の組織ー係のような役員だったのだけれど、今回は本部。
集合住宅居住の義務
居住年数が長い順に回って来る。
我が家ももう10年ちかくになるのでそろそろかなと思っていたけれど、年末の段階で話はなかったし、まだ数年先かと思っていた。
そんな私の心の内に気付いたのか、この棟で決まっていた方がいたのだけれど、急な転勤引っ越しとキャンセルになってしまい、その欠員を埋めなくてはならないと理由も話してくれた。
この展開、以前にもあったよね?また?とげんなりする。
長く住めば済むほど損な話
「一応、住んでいる年数だとか込みで芝生さんのお宅が繰り上げで順番なのよね。結構長いでしょう?」
「ちょっと、主人にも聞いてみないとだし。待ってもらえるかな?」
待つもなにも、引き受けたくない。
しかし、まだ年数の浅い針金さん宅は今年度役員を引き受けてくれた手前、無下に断ることも出来ない。
パートを辞めて落ち着いたと思ったら、次から次へとストレスを抱える問題が発生する。