主婦の体調不良時

くまのぬいぐるみ 生活
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 主婦は、休みが無い。
より一層そう思う時は、ちょっとは動けるくらいの体調不良時。


「飯は?」

「お腹空いた。」

「今日の夕飯は?」


 家族は私が横になっていても、容赦なくご飯のリクエストをする。
本当に無理な時は出前や外食で済ませて貰うのだが、頑張ればちょっとは動けるしんどい日。
このちょっとが、厄介。
そんな日が、主婦にとっては辛いもの。


ウィンドウショッピングの時に何か病原菌を貰ってしまったのか、喉の痛さは辛く更に鼻水も出るし頭もぼーっとしている。
熱でも出れば分かりやすいし理由も付くので休めるけれど、そうでなければ家族は心配どころかあれこれ用事を持ち掛けて来る。


「ノートと赤ペンが無いから買って来て。」


「はい、カード。来月からはあなたが管理だから。別口座にうつしかえよろしく。」


 家計管理をあれだけ任せて欲しいと願ったのだが、その叶うタイミングが悪過ぎる。
月末、夫からカードを渡され、ATMで生活費を自分で考えて引き出す。
子の学費やその他、給与とは別に動かさなくてはならない引き落としのお金も引き出して別口座に移動させなくてはならない。
こういうことも実は夫がしていたのだ。

ぼーっとする頭で、夕飯を考える。
簡単な料理。一人暮らしなら、冷凍ご飯をチンしてお茶漬けくらいで済ませたいところなのに。
子の為に、塾前の軽食の用意。しっかりとした夕飯も。
こんな日に限って、天ぷらが食べたいと夫が言う。今夜は早めに帰宅するからというのだ。
面倒臭い。揚げ物なら惣菜でも買って来て欲しい本音。
しかし、言えない。ちょっと頑張れば動けるから。
朝、少し具合が悪いアピールを家族の前でしたけれどまったく効果は無かったようだ。
気の利く夫なら、何か買って帰るからいいよーとか、今夜は焼きそばが食べたいとか、妻を休ませる為に敢えての提案をしてくれるのかもしれない。

揚げ物をする為には、切らした油も買いに行かなくてはならない。買い物をする労力すらないというのに面倒だ。
調味料も、酒もないし醤油もソースやケチャップもないじゃないか。
牛乳や卵も切れている。最悪だ。
ふと気になり、日用品の在庫を確認。トイレットペーパーもない。シャンプーもない。
こんなに体が辛いのに、そういう時に限ってかさばったり重い物を買いに行かなければならない憂鬱。

あぁ、行きたくない。
寝ていたい。
しんどくて辛い。

だが、それでも動く理由。
仕事を休んでしまった罪悪感からだ。




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