大変アピール

ハンカチ 家族
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 介護未満といったところの父。
その世話をしている母のストレスが半端なく、娘の私にアタリが強い。
様子見の電話をしたら、大変アピール。
病院の付き添いが大変、今週は自分の病院もあり、徒歩とバスと電車を乗り継いでしかも雨が降って大変だった、とか。
食事作りに洗濯に掃除、家事が大変。自分のことだけならまだしも、旦那と息子の分もあるから、この年であんたと同じ分の家事をしているんだから大変、とか。
なら、皆で分担すればいいのにと言えば、ブチ切れる。


「あんたは何も分かってないわよ!一緒に生活してないんだから分かったようなこと言わないでもらいたいね。それが出来れば苦労しないわよ。試しに一週間こっちで生活してみなさいよ、どれだけ大変か分かるから!」


 その憤りは凄まじい。だが、弟にその矛先はいかない。一緒に暮らして何もしない弟にアタレばいいのに、むしろ弟まで私のことを非難していると言う。姉貴は何も分かっていない。高みの見物だと。
そういう姉貴に内緒で金を借りたりしていることを、実母は知らない。喉元まで出掛かる台詞をいつも飲み込むのは至難の業だ。

物が年々増えていることも気になり、断捨離を勧めたら、それも母の怒りの琴線に触れたようだ。弟も、一緒になって私を責め立てる。

「断捨離って簡単に言うけどさ、家族の思い出を捨てろってことだろ。姉貴も冷たいよな。」

 お前は片付けが面倒なだけだろう?と言いたい。だが、そんな息子の言葉を母は愛情だと捉え、娘の私に対して、なんて薄情なのだろうと嘆く。
あー、もう2人で仲良くやって下さい。知りません。そう言いたい。

「あんたが父親を見てくれたらいいのに。」

「ほんとそれな。俺と母さんは2人暮らしならうまくいくよ。」

 2人がそう言う。
介護未満の父を引き取れという。意味が分からない。
そうしてとどめの一発。母の日のお礼からのサンドバッグ。

「あんた、ハンカチをプレゼントする意味分かってる?」

「え?」

 てっきり喜んでくれると思っていたレースのハンドタオル。だが母の台詞でぴんときた。ハンカチイコールお別れ。要するに、縁起が悪いということか。

「いや、そんな深い意味はないよ、伯母さんのハンカチが素敵って言ってたの思い出したから・・」

「あんたは本当、非常識!まさか50にもなって外で同じ様なことしてないわよね!?恥かくわよ。親だから言うの。あんたが恥ずかしい思いをしないように!」


 あー、もう無理だ。やっぱり無理だ。
もうすべてが面倒くさい。



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