婿の悪口

デザート 家族
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 実母を誘い、久しぶりにランチをした。
ゆったり落ち着ける、ホテルのラウンジで。
パート代はほぼ生活費だけれど、そこから1万引き出した。

会えば、あそこが痛いここが痛いと体の不調を訴えることから始まり、次いで、親戚の噂話と愚痴。
続いて、父の愚痴と弟の心配。
一通り話した後、孫である我が子の近況を聞き、最後に婿である夫に対しての不満。

「どんな顔していたか忘れたわよ。私達のことなんて赤の他人と思っているんでしょうね。普通は最低一年に一度くらい顔を見せて愛想振り撒くもんだけどそれも出来ないんだから、本当に変わった人。」


「N恵の旦那なんて、一人でも姉さんのところに遊びに来るんだって。元気にしてるか、体調は悪くないか?病院の送迎も仕事の合間縫ってせっせとしてくれてるもんだから本当の息子みたいだって。」


あー、ハイハイ、すみませんね。うちの夫は婿として失格ですよ。
そりゃあそうですよ、だって夫としても微妙なところですから。
妻がどうすれば喜んで安心して幸福かなんて、考えない人ですから。
自分が一番大事な人ですから。


 母が怒るのも無理はない。
自分達が大切にされてないー無下にされているということは、もう結婚当初からその通りで、時を経ても改善されることはなく今まで来てしまった。
確かに、夫はもう何年もうちの親とコンタクトを取っていないのに、夫婦の会話で夫側の家族の話は頻繁に出るけれど、私側の家族について何か尋ねることすらしないのだ。
だからもう、こちらからも相談することは無くなった。
引っ越しを手伝うことすらせず、スルーだったのだ。

「私達の葬式にも来ないかもね、まあ、他人様のようなものだから来なくていいわよ。あんたと花子だけ来てくれればそれで。」


 母の本音だろう。
モヤモヤするが、仕方がない。そう思われる夫に原因がある。
夫の肩を持てる材料が何一つないのだから。


 折角奮発してのランチコース。
最後のデザートまで、夫の悪口を聞きながら食べるそれはまったく美味しくなかった。
夫も夫だが、それを聞かされる娘の立場に立てない母。その両方に腹が立つ。






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