夢を買う

宝くじ売り場 わたし
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 ふと、宝くじ売り場の前を通りがかると行列が出来ており、なんだか胸がそわそわした。
年末ジャンボの時期。
毎年、買ってみようかと思うけれど、結局無駄金になると思い購入に至らない。
宝くじが実際当たるなんてことよりも、それを買ってあぁだこうだ妄想するのが楽しいのだし、それが「夢」を買うということなのだろうけれど。
結局、当たらなかったちょっと先のがっかりしている未来を想像してしまうのだ。
だが、今回は違った。
何かに引き寄せられるように、気付けばその列に並んでいた。
1枚だけーたった300円。ガチャガチャをするのと同じ。違うのは、何が出るかのお楽しみが先延ばしというところ。そう考えると、お得な気がする。


 私の前に、ヨレヨレの毛玉の出来たコートを着てる女性が並んでいた。
髪もボサボサで、使い古したトートバックを下げていた。
財布ではなく、何か見たことのあるキャラクターのポーチから万札を取り出し、


「福バラ、100。」


 さらりと購入。
そして、売り場の人と世間話を少ししていた。どうやら常連らしい。
私の番になり、バラ1枚購入するのが恥ずかしくなり、バカみたいだけれど10枚買ってしまった。
思わぬ出費。
3000円。
当たるかどうか、大きく見積もって300円が当たれば御の字と思ってしまう貧乏性の私なのだ。



 今、1億当たったらどうするだろうか。
ぱーっと使うことなく、自分の「いざ」という時の為に貯金したいのが本音。
そう、それは夫と離婚した時の為。
ただ、当たったとして、家族にばれずにいることは不可能だろう。
確定申告だって必要になりそうだし、婚姻しているのだから、それは共有財産になるのだと思う。
それこそ、離婚したら財産分与にあたるのだと思う。

そんなあり得ないのにケチな妄想しか出来ない自分が、やっぱり宝くじに当たるわけないだろうなと思う。
夢を買うどころか、結局、現実に戻ってしまう悲しい性なのだ。






 

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わたし
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