子が、私と2人きりの時にぽろっと口にした台詞。
「今年のお正月は、パパのじいじ達の家は行かなくてもいい?」
 受験はまだまだ続くので、行かない選択もあり。
そう思っていたのだけれど、子の表情がちょっと気になり、突っ込んで聞いてみた。
「なんかあった?」
 少し迷う素振りをしつつも、子がため息交じりに話す。
「あいちゃん、芸大受けるらしいよ。多分、来年受かるんじゃないって。パパ、大学は皆に発表しても恥ずかしくないところにしろって。」
ーは!?
 信じられない。
あいちゃんが芸大を受けるということにもびっくりだけれど、それ以上に、夫が子に直接それを伝えたこと、そしてそのタイミングが、総合型選抜で一番難易度の高い大学が落ちたその日だったのだ。
子が滑り止めであっても合格を素直に喜べなかった原因は、それだったのかもしれない。
「OO大学は、恥ずかしい大学だって。」
 OO大学とは、唯一合格出来たお守り校のこと。子が自発的にそう思う分なら構わないけれど、親がそんな風にネガティブな印象を刷り込んでどうするのだ?夫の頭を叩いてやりたいくらいに、怒りで肩が震えた。
我が子が頑張って頑張って、そりゃあ第一希望じゃなかったにしても、合格した大学を恥ずかしいだなんてー
義実家のブランド志向も呆れるが、夫は我が子に対してもそうなのかと、正直情けない気持ちで一杯だ。
しかし、あぁ夫はこういう人だということを思い出した。
私は彼にいったい何を期待していたのか?私だけではない私の実家への見下した対応や、彼自身の価値観。そうなんだ。
ただ、自分の娘に対しては例外だろう、それはないーここ最近の娘に対する夫の父親としての言動が、私の思考をポジティブにしていただけなのだけれど。
その期待が裏切られ、糸の切れた凧のように脱力感を抱いた。
  
  
  
  