Z世代の夢物語

コスメ
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 子が、あるインフルエンサーの動画にはまっている。
彼女のビジュアルだけではなく、生き方そのものをリスペクトしているようだ。
彼女のように、好きなことをやって稼ぎたいーそんな夢物語のようなことを言っていた。

「楽してお金は稼げないよ。」

「楽って何?誰の基準?楽しいことは楽なの?」

 はっとさせられた。
楽しく稼ぐことがまるで悪のような、自分のそんな愚かな発言に自分自身が萎えてしまった。
それでも、コスメ爆買いして、それを動画に上げて紹介するだけで月収何百万円も稼ぐ彼女達を、妬む気持ちからなのかどうしても斜めに見てしまうのだ。
あくせく働いて、嫌な思いをした対価として得る金銭。それが昔からの日本の美徳。
その思考にどっぷり浸っている自分がなんだか人生損している気にもなるのだ。

「ママは、仕事楽しくないの?」

 無邪気に聞かれ、沈黙してしまった。
楽しい訳ないじゃん!と言い返したい衝動をぐっと抑えた。
子ども相手に夢も希望もない、そんな詰まらない人生を披露したところで得るものは何もない。


 【好きなことをして稼ぐ!】
そんな自己啓発本を本屋でよく見掛ける。
たまたま宝くじに当たった人間が、たまたまその方法で一発当たり、ピラミッドの頂点に立った瞬間、それがもうすべての人間に当てはまるマニュアルかのように、肝心なネタの周りー、ぼやっとしたノウハウを貴重な情報であるかのようにばらまく。
所詮、底辺があくせくもがくのを眺めるだけの高みの見物なのだ。
本が売れれば、そいつが儲かる。それはもう、雪だるま式に。
ただそれだけのこと。買う側の人生なんて彼らには無関係。自分さえ良ければそれでOK、だから世の中だって良くならない。

物価高。
子どもの貧困化ー、我が子と同世代の子ども達が使い捨てされる闇バイトに手を染めて行く。
災害の激甚化。
少子高齢、環境問題。
経済格差に情報格差。

こんな日本を、誰か救って。



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隣の芝生
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