高校生活初日

学校
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 我が子の高校生活初日。
入学式でのクラス発表は仲の良い友達とも離れてしまい落ち込んでいた子。
私は私で自分のPTA役員のことで頭が一杯で、当日は子のことを考える余裕が無かったけれど。
土日を挟み、新生活の第一週目。
早速、弁当を持って登校した子。
話せる子は出来ただろうか?
昼は誰かと食べられただろうか?
孤独になってないだろうか?
まず、帰宅後ー、最初の表情で分かるもの。



「ただいま」の表情

 子が帰宅する時間になると、そわそわとし居ても立っても居られない感じになった。
親ばかかもしれないけれど、校門までお迎えに行ってやりたいーなんて、まるで園児の母のように思う。
そう、子が高校生になったところでそう変わりはない。
私にとって、園児であろうが高校生であろうが我が子は我が子。
元気に楽しく学校に通って欲しいーただそれだけなのだ。


高校生活初日で行ったこと

 初日からお弁当持参。
私も前日には気合を入れて、一週間分の副菜あたりを作り冷凍保存。
主食については子の大好物のトンカツを朝から揚げた。
下校時刻は夕方になるとのことで、てっきり初日はもっと早帰りを予想していたのだけれど、がっつり6時間まで。
軽い健康診断や部活紹介、また事前に購入していたジャージや体操着が出来上がりそれらを受け取ったりと。
なかなか盛沢山のスケジュールだったようだ。




我が子の席

 帰宅し、子の顔を見た瞬間。
うまくいかなかったなーと分かってしまった。
表情は暗かったし、私が話し掛けてもか細い声で短く答える。
辛うじて、登下校は入学式の時に挨拶をした子らと一緒ではあったようだけれど。
彼女達とはクラスが離れてしまった。

ー友達出来た?

ー誰かとライン交換出来た?

ーお弁当、一緒に食べられる子見付かった??


聞きたいけれど、ぐっと堪える。
誰とも喋らず終わった一日だとしたら、そんな風に母親に心配される方が惨めになるものだ。
せめて家では「通常の自分」でいたいはず。
色々と詮索され、最悪だった一日を思い返すのも嫌うに違いない。
なので、子から少しでも情報を得る為、別角度から質問をしてみた。

「近くの席の子は、どんな感じ?」

 この最初の席で、向こう1年間が大方決まるーと思う。
勿論、コミュニケーション力がある子だったらそんなことは気にせず、自分が仲良くなりたい子にアクションを取れるのだろうけれど。
 

「んー。前の席の子は、同じ中学の友達がその前に座ってて盛り上がってた。私は一番後ろ。両隣は男子。」

 出席番号順なので、私も入学式の時にその光景は見た。
子の前にいた女の子は、確かにその前の子と楽しそうにぺちゃくちゃと喋っていた。
運良く、仲良しとなれたのだろう。
見た目も子とは毛並みが違い、メイクをしっかりしていて髪も巻いている風だったし。
恐らく、子と気が合いそうな感じではなかった。
後ろにいた子は大人しそうな子だったけれど、話し掛けやすそうだったのに。
残念なことに、教室では一番後ろと前で別れてしまったのだ。



残されたお弁当

 子が持ち帰ったお弁当箱を開けると、数口分だけれど残されていた。
ショックだった。
大好物のカツが、3切れ入れたうち1切れ残っていた。
それに、ご飯も数口。
他の卵焼きやプチトマト、それに副菜は食べてくれたようだけれど。
それでもお弁当箱の大きさからいえば、むしろ少し足りないくらいだと思っていただけに、子の心中を察すると胸が痛くなった。



委員会選びとクラスでの立ち位置

 初日のHRでは、早速委員会決めが行われたらしい。
友達云々については何も語らない子だけれど、それ以外については私の質問に答えてくれた。
子は、美化委員になったらしい。

「何人でやるの?」

「二人。」

「そうなんだ、もう一人の子はどんな子?」

「よく分からない。男子。」

「人気無かったから、立候補した。」

「人気あった委員は?」

「文化祭とか体育祭とか、学級委員。」


 もうそれだけで、クラスの雰囲気が伝わって来た。そして、子の教室での立ち位置も。
皆、自分の居場所を確保するのに必死だ。
そして、その居場所が少しでもキラキラとした場所になるように、最初のスタートダッシュ。
不器用な子は、そのスタートに出遅れ気味だ。

 こんな時、悔しいけれど夫に似てくれていたらと思う。
外面が良い夫は友達作りで苦労したこともなく、いまだに学生時代の友人らと連絡を取り合う仲だし、自分にとって得に値すると思う人間関係の構築には長けているのだ。
だから、人脈が必要な今の仕事も成り立っている。

 この一週間で、もしかしたらもう今日で、女子のグループは固定化されてしまうかもしれない。
ママ友作りに失敗して来た私の二の舞を子に踏んで欲しくはないのだ。



時間割表を眺めてしまう

ー今頃、体育。
子に見せて貰い撮った時間割表。
それを眺めて、今何をしているのか想像する。
教室の席はハズレだったけれど、体育で運良く一緒にペアになった子と話せるといいなと。
良い方に―良い方に・・
まだ始まったばかりだから、どうしたって楽しそうに目立っている子にばかり目が行き、自分と比較して落ち込んでしまうかもしれないけれど。
大丈夫。
きっと、子と同じような気持ちのクラスメイトだっているはずなのだ。
そして、もうすぐ昼休み。

ー頑張って、勇気を出して、声を掛けてみるんだよー

お弁当を一緒に食べられる子が、見付かりますように。
子が120%の勇気を振り絞ることが出来ますように。

体育の授業が終わってすぐに昼なので、子にとって良い流れが来ますようにと祈る思い。
子に作ったお弁当の残りもの。
離れている場所で、同じものを食べるということ。

ーあなたは、ひとりじゃない。



子どもが幸せなら私なんてどうでもいい

 子のことを心配するあまり、PTA役員のことだとかこれからの職探しについてはどうでも良くなっている。
役員の総会的なものがGW明けにあるらしいけれど、今はそんなことどうだっていい。
子が幸せでないと、私も幸せではない。
親ならば当たり前の感情だけれど、子が成長するにつれて更に感情移入するようになっている。
一心同体ではないけれど、楽しく過ごして欲しいという感情。
この際、成績だとかどうでもいい。
楽しい高校生活を送って欲しい、ただそれだけ。

 今日も、子が帰宅する時間が待ち遠しくもあり心配だ。
今はそっと見守ることしか出来ないけれど、少しでも彼女の笑顔が見られたらと思う。




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