専業主婦に戻りたい

りす わたし
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 パート復職に向け、明日は人事に電話をしなくてはならない。
子からも応援?されたので、また頑張ろうと思う一方、やっぱり辞めたい気持ちに心傾く。
ここ数週間、仕事をせずのんびりと過ごしたー勿論、子の救急車騒ぎはそれどころではなかったのだけれど、それでも、家族以外の他者との気遣いやストレスにさらされることのない暮らしは楽だし心地良かった。



「パート代、来月はあんま期待出来そうもないな。2万くらいになりそう?」

「パート、正社員になれそう?まだなら、それまではパートの無い日は事務所の方手伝って欲しいんだけど。」



 夫からの言葉に、パートを辞めたいと思っているなんて口が裂けても今は言えない。
先月がっつり休んだことで、今月入るパート代は微々たるもの。
その半分は生活費に入れることになっているので、夫もそれを期待しているのだと思う。
パート主婦の微々たる給料をアテにする夫、事業は赤字なのだ。
夫の仕事がさっぱりうまくいかなくなったここ数か月。
元を辿れば、吉田さんが介護が云々で事務所に来られなくなり、また犬塚さんの引き抜き騒ぎで夫と彼との間がぎくしゃくしたり。
そういった人間関係のいざこざは仕事に影響を及ぼすのだろう。
ついには、猫の手にも及ばないだろう私の手まで借りたい状況になっているのだ。

先日、事務所の片付け等の手伝いで経理関係のファイルを見てしまった。
売上がガクンと下がっていた。
それだけではない、融資金額を初めて目にして驚いた。こんなに借金しているなんてー
ただ融資してくれた銀行からしたら、うちの会社にそれだけの見込みを見ているからだと楽観的に思うことにした。
いざとなればー、夫はまた実家に頼るのだろうか?
義姉らから責められるのは、この私なのに。

 専業主婦としてのんびりしていたあの頃が懐かしい。
夫は手堅くも一部上場の金融業に勤めており、年収だってそれなりにあったと思う。
悩みはママ友関係くらいで、今思えばお気楽主婦生活だった。
今は、仕事のこともそうだけれど、もっと先のこと。
夫の事業ー果たしてこれからどうなるのか。犬塚さんとの関係は修復出来るのか?
吉田さんとはどうなっているのか?
疑問符が次々に湧いては不安で一杯になるのを、安酒で濁す日々だ。




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わたし
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隣の芝生
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