今日も、外ランチ。
花山さんは当たり前のように、
「じゃあ、行こうか。」
弁当でも持ってくれば良かった。
昼休憩、工場パートの時などは、誰かと喋りたいー他の人達が和気藹々と休憩室で食事をしているのを後目に一人外に出て、コンビニのイートインで過ごしたりしていたけれど。
今となれば、あれは気楽な時間だった。
9時-17時の仕事で、ずっと緊張状態の中、ふっと息を付ける昼の一時間。
その時間が、自由にならない苦痛。
断るに断れない圧力を感じる。
「何食べたい?」
木佐貫さんが、私達に声を掛ける。夏バテなのか緊張なのか食欲はない。
そうめんでも啜りたい気分。
「お勧めのお店とかあります~?」
「そうだね、じゃあいつものあそこ、行く?」
米田さんと木佐貫さん御用達の店に連れて行かれた。
入口に、黒板仕立てのボードがあり、ランチメニューが描かれている。
「ここ、野菜がとっても美味しいよ。」
米田さんがお勧めするサラダボウルのセット。
大きな木製ボウルにお洒落なサラダ。それに小さなパン二つとドリンクのセットで1500円。
高い。
私は同じ1500円出すのなら、AセットのパスタやBセットのローストビーフ丼にしたいところだけれど、米田さんお勧めの流れに逆らえず、皆と同じサラダのCセットをオーダーした。
「ドレッシングが美味しいですよね~」
米田さんの腰巾着的な木佐貫さんが、満足そうにサラダにフォークを突き刺しながら言うのを聞きながら、このサラダを家で作ったらいくらくらいだろうーなんて、ナンセンスなことを考える。
レタスにきゅうりにトマト、サラダチキンやパプリカ、それに紫キャベツやラディッシュにレンコンやアボカドなど、野菜の種類は多く体に良さそう。
家で作るとなると、案外お金が掛かることに気付く。
紫キャベツやパプリカそれにラディッシュなんて、普段買うことのない野菜。
「あー、お腹いっぱい。コーヒー、買ってく?」
流れでカフェに寄り、テイクアウト。
アイスコーヒー一杯600円。高い。
ランチと食後のコーヒーで2000円越え。
時給で雇われているパートの私には分不相応。
私はトイレへ寄りたいからとその流れに乗らず、そそくさ彼女らと別行動。
なんだか疲れる。