職場で、腹痛。
冷や汗をかきながら、トイレ往復。
コールセンターで働いていた頃は、トイレへ行くにも報告が必要だったけれど、この職場の良いところの一つは、そういう個人的な報告は不要であるということ。
勿論、10分に一回のトイレだとかずっと離席しているだとかの非常識な行動についてだとしたら話は別だけれど、あくまでも生理的現象として起こり得る範疇での行いなら咎める人間などいない。
現に、煙草休憩をしている社員も多くいるのだ。
シルバーウィークで不規則な生活をしていたせいか?それともグミの食べすぎ?そうだった。以前もグミでやらかしたことを思い出す。なんでこうも学習をしないのかと自分に嫌気が差した。
そして、情けないことに早退。
連休明けだというのに、情けない。誰に伝えたら良いのか分からず、私担当の上司というのもついていない現状、初めてこちらから佐藤課長に声を掛けた。
「分かりました。お大事にどうぞ。」
あっけなくーというよりもそっけなく了承を得た後、そそくさと自宅に戻る途中も、何度も駅ビルのトイレに立ち寄って。そして不正出血。まだ生理予定日でもないのに。慌てて目に付いたドラッグストアでナプキンを買う。いったいどうしたー私の身体。
思い当たるのは、ここ最近の出来事。
恐れていたあれこれが一気に雪崩のように私の心に押し寄せて来た。
それは、だましだまし守って来た安全地帯をぐちゃぐちゃにし、一番向かいたくないゴールへの道しるべに気を緩めれば一気に流されそうになる、そんな状況。
まだ具体的に夫とどうこう話した訳ではないけれど、それも近いうちに訪れるだろうカウントダウンの日々に、私の心はもう耐え切れない程の負荷を与えられていたのだろう。身体は実に正直だった。
腹痛も幾分か和らいだところで、早退した分、節約料理でも作らねばと激安スーパーに寄ったのが間違いで、エアコンでキンキンに冷えた店内の中、急に頭が真っ白になりどこかに連れて行かれるような引っ張られるかのような、これはヤバイという感覚。
意識を失いかけ、その場にしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか!?」
私と同世代の店員が、駆け寄り声を掛けてくれる。だが、その声掛けすら煩わしく出来れば放っておいて欲しい、大袈裟にしないでーという我儘な感情に支配され、目を合わせずに顔の前で手を振り、
「ちょっと立ち眩みがしただけなので。大丈夫です!」
語気荒めに拒絶露わに答えたら、店員も素は気が荒い人間なのだろう、
「ここですと他のお客様が通れませんので!」
商品が陳列していない、出入り口の脇に誘導された。
勿論、私が悪い。分かっているけれど、もうそこで買い物をする気は起きず、少し休んでから店を出た。
またいつ心臓がバクバクしだし、意識を失うかもしれない状況の中、あの店員どこかで見た気がするーと思いつつ思い出せない後味の悪さだけが妙にべったりと私の意識の中に残ったままだった。
