母の日のメッセージ

メッセ―ジ 家族
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 母の日、今年は事前にリサーチし、ストールをプレゼントすることにした。
実母が気に入っているブランドのものに限定し、色の好みを聞き、更にいくつかネットからピックアップ、画像をラインで送り選んでもらったので大丈夫だと思う。
自分がお祝いをしてもらうよりも、する方に神経が向かう。
義務感といったらなんだけれど、実母の期待を裏切らないよう細心の注意を払う為、無事その日が過ぎると体調を崩すことも多い。子どもの頃からずっと。

 以前、買い物カートをプレゼントした時、それが不良品だったことについて嘲笑と不満、そして私が使えない娘で非常識だと指摘されたことを思い出す。
どんなに手を尽くしても、娘の私がすることに難癖をつけたいのが母なのか。
私は自分の娘に対して抱かない感情、それを持つのは息子がいる母だからなのか。

 ストールと共に、メッセージカードをつける。
プレゼントにそういったカードや手紙をつけることが「常識」だと子どもの頃から叩き込まれたので、物だけという訳にいかない。カードがないと手抜きだと思われるのだ。
だが、それに書くメッセージ、もう言葉が思いつかない。
感謝の言葉?生んでくれてありがとう?もうどれもこれも使い回しの台詞。今更といった感じ。
だからといって、「長生きしてね」なんて言葉を送れば、嫌味とも捉えられかねない。

ネットで母の日に送るメッセージを検索する。
なんて、薄情な娘だと思う。
我が子からこんな風に、ネットからの引用をそっくりそのまま渡されたら、親としてはショックだ。
不器用でも言葉少なくても、本人が考えて思う言葉を送って欲しい。
そう思う一方で、だが実母に対しての言葉がまったく浮かばないのだ。
「無」なのだ。


 実家を離れ、もう何十年。
共に暮らすことはなく、たまの電話と訪問。
なんとか関係を保っているのは、互いの距離感が丁度良いからだと思う。
近くに住めば良かったと思う一方で、もしそうだったらきっと、私は夫と離婚していたかもしれない。
夫と私との本当の関係を知ればきっと、私は実母から洗脳され、今以上に夫に対し負の感情を抱いていたかもしれないのだ。

 真っ白なカードを前に、もう一時間以上経過。
このまま渡したら、母はどう思うだろうか。
「書き忘れたんだ、あの子は本当に抜けてるわね~」と呆れながらも温かく笑ってくれる、そんな母だったらーそんなあり得ない妄想と共にため息が出るのだ。

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