休みの夫、子を受験会場まで送っていくことになった。
今日は、義姉の母校を受験する日だ。子は、ギリギリまで受験を拒んだのだけれど、スケジュール的にぽっかり空いた日にちを埋めた方が良いと決行するに至った。
もし受かれば、義実家での子の立場はOBである義姉にきっと可愛がられるだろうし、だが落ちれば口には出さなくても出来の悪い姪の烙印を押されることだろう。
そんな我が子の複雑な心境などお構いなしに、朝から夫は地雷を踏みまくっていた。
「倍率もそんな高くないし、気楽にな。休み時間は散歩でも出て気晴らしするといいよ。」
倍率がどうこう、当日にハードルを上げるような発言。本当に空気が読めない人間で腹が立つ。
子の模試の結果を真摯に受け止めていれば、こんなこと言えるわけがない。
朝ごはんは、ご飯に納豆。それにベーコンとミニオムレツとサラダ、それに味噌汁。だが子は少しずつ口に放り込むと、デザートのいちごだけ食べて準備をし始めた。
「受験票は持ったか?鉛筆はちゃんと削った?消しゴムは二個必要だぞ。落としたら終わるから。後は・・」
「もう何度も試験受けてるんだから、大丈夫だって。」
子にウザがられつつも、2人は仲良く出て行った。
夫の本音は、ここに受かって欲しいのかも。義姉の出身校だし自宅からのアクセスも良い。
なんだかんだ、自分の目の届く範囲内で娘には生活して欲しいのだ。
「送ったら帰って来る?」
「いや、終わるまでふらふらしてるよ。」
仕事でもするのか、ノートPC持参で出て行った。
昼はどこかの店で食べるらしい。
一人娘の最初で最後の受験。夫も悔いの無いよう出来ることをしたいのかもしれない。
それが間違ったやり方であっても、父親なりの愛情なのだ。
過保護パパ
夫
