行き渋り

横断歩道 わたし
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 パートを今日も休んでしまった。

朝の出勤途中、歩道でランドセルを背負った2年生くらいの男の子が泣いており、母親が必死で宥めているのを見掛けた。
信号待ちで赤から青に変わって、周りが横断歩道を渡っても、その親子はそれを逃す。
いったい今朝、何度青信号を見送ったのだろう。母親の心もそうだけれど、男の子の心を思うと胸がぎゅっと苦しくなった。

そんな親子を見た後に、突然気分が悪くなった。
途中、腹痛も起こり、回り道をして公衆トイレに駆け込む始末。
吐き気と腹痛がどうにもおさまらず、冷や汗だらだら。時計を見ると、8時半過ぎ。もう職場に間に合いそうもない。
どうせ遅刻の電話をするのなら、このまま休んでしまおうと思ったのだ。

今、朝の電話応対は新人君担当なので、休みの連絡も気楽だ。
案の定、新人君が出てくれてリーダーと中山さんに伝えますと言ってくれた。


 まだ、体調が治り切っていないのだ。
昨日、家事を無理し過ぎたのもある。
自宅に戻り、さっきしたばかりの化粧を落とし、部屋着に着替えたら布団へ。
少し寝入ってしまった。
起きたら、吐き気は若干残るものの腹痛は消えて楽になっている。
ただ、珈琲を飲みたい気持ちにはなれない。
私の健康バロメーターは、珈琲が飲みたいかどうか、なのだ。
それが不味く感じたり受け付けない場合は、不調。やっぱり休んで良かった。

 これで、今月の給与も期待出来なくなった。
5万もいかないだろう。休んだのだから仕方ないにしても、きっぱりここを辞めてもっと負担のない仕事を探してもいいような気がする。
相変わらず同じことばかりぐるぐると考えている。
まだ続いているモーニングページにも、毎朝同じようなことばかり書いている。
数週間後に見返すことになっているけれど、自分の思考に成長が見られない事実に失望するだけかもしれない。


 それでも、休んで良かった。
腹痛は、心の風邪と違って分かりやすい。メンタル低下が腹痛を誘ったのだとしても。

あの男の子は、登校出来たのだろうか?
困り顔の母親は、スーツを着ていたので出社の時間も迫っていたのだろう、必死の形相だった。
代わりに私があの母親になって、彼を連れて自宅に戻れたら。
一緒に今日はさぼろうかーなんて。
親子で行き渋りなんてどうかしているかもしれないけれど、互いにその罪悪感が少しだけ晴れたかもなんて妄想する。








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