春バテ

ソファー わたし
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 バテている。
新生活が始まり、ここ数日で気温の上昇からの下降。
心も身体も付いていけず、5月病にはまだ早いけれどそんな症状が出始めていた。

夫と子を見送り、ごろごろしていたらすぐに11時過ぎ。
シンクにたまった皿やコップを片付けようと立ち上がるも、気が乗らずに珈琲だけ淹れてまたソファーに戻る。
ネットで相変わらず求人を見ている。
実は先週、2社応募した。
履歴書不要の会社は面接まで行った。
WEB面接の会社は、事前に履歴書をメールで送る必要があったので、その準備に手間取られた。
結果、2社とも不採用。
やはりデータ入力系は人気なのだろうか。
座って出来る仕事に固執するのは今月中までーと決めていたのだけれど。




必要以上に食べてしまう

 バテていると言いつつも、ストレスなのか必要以上に食べてしまう。
食事はご飯を減らしたりしつつも、間食が多い。
主に、子と夫用の菓子やツマミ。ファミリーパックのそれを数袋拝借のつもりが、気付けば空の袋の山。
分かっているのだ。
満たされていないから食べてしまう。
何に?
環境に?
夫に?
子どもに?
私自身に?
この現状に?
そのどれもが当て嵌まる状況なのだけれど。
体重も2キロ程増えてしまった。そうなると体が重くむくんでいる。
鏡の中にうつる自分の顔は、酷く疲れて見えた。
折角、美容院で綺麗にして貰ったヘアスタイルも、白髪こそないけれど、セットしなければただのおかっぱ頭。あのスタイリングはどうやったらキープ出来たのだろう。
チョコクッキーをボリボリ食べる。
今度はしょっぱいのもが欲しくなり、スナック菓子をバリバリ食べる。
その咀嚼音が耳に心地良く、一瞬だがスカッとするのだ。
引きこもりなのにー、いや、引きこもりだからかストレスが溜まっている。




暇だと人恋しくなる

 ふと、引っ越し前のママ友に連絡をしてみようと思い立った。

ー元気?受験も終わって一安心だね!高校生活は順調かな?

そう送ろうと文面まで打ったのだけれど、踏み止まる。
もしかしたら、受験うまくいかなかった?
受験前のやり取りを思い出す。
もし息子の順調に合格していたのなら、彼女のことだろう。すぐに連絡があったはず。
なのにそれが無い。失敗してショックのあまり連絡出来ないのでは?
色々と考えた挙句、こちらから連絡を取るのをやめた。
唯一のママ友ーしかし、子どもが絡むとやっぱり遠慮が先に立つ。

生産性、何それ?美味しいの?

 パートをしていた頃は、毎日苦痛を伴いながらもどこか社会に貢献しているーという自負があった。
私が休めば、それなりに周囲に迷惑を掛けるーということが、世の中に必要とされている自信にも繋がっていた。
それに、働く=対価を得られるという言わずと知れた公式。
お金を得るということは、「生産」しているということ。
それが今は、ソファーに寝転びながらお菓子を貪り食っている。
要するに、「消費」しかしていない日々。
生きているだけで、消費活動。
求人サイトを眺めている分、少しは働いているような気になっているけれど、結局のところゼロなのには変わりはない。





誰とも会話をしない1日

 子が高校生になり、親参加の学校行事もほぼ無くなり、更に無職である今現在。
丸1日、家族以外と会話をしない日が続くこともある。
そしてその貴重な家族ー、子や夫とも、会話らしい会話をしていない。
引きこもれてラッキーだと思っていたのに、実際その状況に陥ると果てしなく落ち込んでしまう。
 春休みはまだ私の相手をしてくれていた我が子ー、だが今は自分の新生活が彼女のすべてで、それをどうにか軌道に乗せる為に四苦八苦しており、母親にそれを探られるのも嫌なのだろう。
会話はこちらから何か尋ねれば、短文での答えのみ。そしてそれ以上触れてくれるなのシャットダウンと言わんばかりのスマホいじり。
 
 先日買い物に行った時、高齢のお婆さんがレジのスタッフに長話をして迷惑がられていたのを思い出す。そして、あのお婆さんの気持ちが分からなくもない。ちょっとした会話に飢えているのだ。

 自分で自分が分からない。
人間関係の構築が苦手だし、コミュニケーション力も皆無。なのに、無性に誰かと関わりたくなる時がある。そう、今のように出口が見えない閉塞感に苛まれた時に。
 
 GW明けにPTAの集まりがあり、それはとてもとても憂鬱な予定なのに、ほんの少しだけ期待している私もいて、自分でも矛盾した気持ちを持て余している。





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わたし
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隣の芝生
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