癖強上司

オフィス街 仕事
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 新部長の元、先週、新年度を迎えた部署。
フロアはピリッとし、これまで割と和気藹々とした空気で雑談も時折あった社員らは、一転。
皆、部長の目を気にしてか仕事に全集中。

米田さんや木佐貫さんの表情も強張っており、これまでの部長が米田さんを信頼し丸投げだったと思われる仕事も、何度かダメ出しを受けているのを見た。
私達パートは、部長の視野にまるで入っていないようだ。
花山さんから、朝、エレベーターで会った時に挨拶をしたそうだけれど、ちらっと一瞥するだけで愛想も何もなかったらしい。

「なんなんですかね!前の部長は頼りなかったかもしれないけど、人当たりは良かったし、私達パートにも分け隔てなく接してくれて。今思えば、人間が出来てましたよ。」

 早速、木佐貫さんに不満を訴えていた。

「4月は子どもの用事で早退とか有給取りたいと思ってたんだけど・・厳しいかも。」

 仕事だけではない。休みの取り方まで口を出す上司らしい。社員は大変だ。
そして、仕事中に部長の方を恐る恐る見れば、何をするでもない、部下らの仕事ぶりをじっとりとした視線で眺めているのだ。時々、社員に向かって注意する。


「H君、手が動いてないよ。昨日のあれ、もう出来てるよね?」

「あ!昼までには仕上げます!」

 ビクビクした様子の若手社員。
そして、課長らはやたらと部長に媚を売っている。やたらと喫煙所に誘い、談笑し、取り入ろうとしているのがパートの私から見ても丸分かりだ。
米田さんはこれまで以上にカリカリし、神経質になっている。
そんな中で、彼女から直に業務を振られた。いつぶりだろうか、直接、話し掛けられたのは。

「来週中にお願いしますね。」

 確か、一年前にやったことがあるような、ないような業務。
難しかったから、過去の履歴を見たりネットでググったり、花山さんの助けを借りたりしてなんとか完了させた業務だ。まずはおさらいから。
ミスが無いよう、慎重に取り組まなくては。


 

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