子に貸した日傘が壊れた。
というか、それをすぐに報告してくれなかったことに苛ついた。
「ちょっと、これ。壊した?」
「え?知らないけど。」
しらっとすっとぼけるが、子に貸してから数日、一度も使っていない。
この日傘は、今の事務パートで一年経ってのご褒美を兼ねて今年買ったばかりのお気に入りのもの。
値段は3000円と大した金額ではないけれど、毎月のパート代からしたら大したともいえない。
それに、色々な店を回ってようやく見つけた傘なのだ。日傘は一度買えば数年持つし、だからこそ本当に気に入ったものが欲しいし、自分が出せる金額とマッチするかどうかもあったので、手に入れるまではなかなかの労力を要したのだ。
「あのさ、知らないってことはないよ。だって開かないんだよ?どんな使い方したら骨が折れるの?」
「ごめん、本当に気付かなかった!」
口では謝りつつ、どこか上の空でチラチラ参考書の方を見ている子に、勉強中だしもういいやと諦める。
「もういいよ、今度から壊したらすぐに伝えて。」
買い物に出るのに使おうと思っていたタイミングだったこともあり苛々したのだ。
すぐ近くのコンビニなので、自転車を使うこともない距離だった。
生理前で苛々がおさまらず、つい、今度のお小遣いから差し引くからね!と言いそうになったけれど、冷静に考えれば、本当に子が壊したのか、そもそも壊れそうな段階で私が気付かなかったのか定かでもない。実際、子が壊した現場を見た訳でもないし・・
YouTube動画で修理の仕方をまねてみるが、どうやらあるパーツが必要っぽい。
ホームセンターに行けば売っていそうだが、暑いしなんだか気力がわかずもうどうでも良くなった。
早く、この残暑が終わらないかー来年の夏までに治せばいいかと面倒くささが先に立つ。
夏よ、終われ。
