疎遠のはじまり

花 わたし
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 疎遠になるということ。
それまで頻繁だったやりとりの間隔が徐々に空く。
次第に、連絡を取り合わなくなる。
どうしているかな?と気に掛ける回数が減少する。
思い出しても、連絡するのを躊躇う。
次に会う確証が持てなくなる。
もう会えなくてもいいかなと、その人に対しての執着が薄れる。

 テレビをぼーっと眺めていたら、見たことのある顔。
引っ越し前のママ友だ。
いや、それに似てる人だ。
街頭インタビューに応えている彼女が、あまりにもママ友に似ており、二度見、三度見してしまった。
だが、赤ちゃんを抱いていたので実際は違う。彼女にあんな小さな子どもはもういない。

互いの子ども達の受験が終わり、それから連絡を取り合っていない。
待っていれば向こうからいずれ何かしらあるだろうと思いつつ、時は過ぎていった。
結局のところ、気を遣う関係なのだ。
彼女の息子の進路なんて、正直どうでもいい。
彼女が今、元気でいるかどうか、それだけを知りたい。
そう思う一方で、だがこちらからアクションを起こすエネルギーを持ち合わせていない。
私も今、日常に疲れているからだろうか。

 いつかは来ないかもしれないのに、また今度ー明日への確証はないことも知っていても、夏になったら連絡しようと自分の中で守れそうもない約束をする。
疎遠のはじまりは、先延ばしなのだと分かっていても。

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