父の入院騒ぎで、心身ともに疲労困憊の私だけれど、逐一、弟とラインで連絡を取るようになった。
実際、弟は新しい仕事が決まりそれどころではないのだけれど、こちらから送ったラインの返信はその日以内に来るので安心感が違う。
入院手続き等は母と私で済ませたけれど、車を出したりの送迎はやっぱり弟が頼りになるし、これが男手というものなのだと改めて思い知らされた。
夫が使えない分、どうしたって弟に頼らざるを得ないのだ。
高齢者の骨折は、癌より怖いとされる。
寝たきりになる率も高く、ただの怪我で済まされない。
そうした将来の不安をラインで弟にぶつけてしまう。だが、弟はのらりくらりと調子が良い。
ーなるようになるでしょ。今、そんな心配しても仕方がないよ。
弟はギャンブラーなだけあり、先の心配をしない。というか、計画性が無い。
だが、かえってそれが今の私の必要とする返しだったりする。
母もネガティブになっているからこそ、弟のいつもはマイナス面でもある物事を深く考えない性格が、私や母の助けになるから、人って分からない。
こんな弟でもいてくれて良かった。
この先、両親の介護や看取りの時にいてくれることに救われる。
金銭面ではまったく頼りにならなくても、相談相手ー同じ親から生まれた子ども同士、同じくらいの濃度で親のことを考えられると信じている。
ふっと、我が子のことを思う。
こんな風に、頼れる兄弟姉妹もなく、たった一人で夫や私のことを考え、決断する日が来るのだと。
それは非常に孤独で辛い作業になるだろうと想像すると胸の奥が苦しくなる。
せめて子に負債を負わせないように、自分の後始末はしっかり出来るだけの蓄えをしておきたい。