今日は事務パートの日。
花山さんや黒川さんは来るのか?
先週のことを思い出すと憂鬱だ。
米田さんは元々怖い存在だけれど、最近では木佐貫さんも同様に怖い。
所謂、彼女らはここでいうお局的立場で、上司らも彼女達にしか分からない業務が多々あることで何となく顔色を伺いながら接しているところがある。
なので、パートという立場の私なら尚更、彼女達の機嫌に振り回される。
機嫌といっても、木佐貫さんはここ最近はずっと苛々してばかりで、米田さんから私経由で木佐貫さんにお願いしてーと言われていることがあり、それを頼むと、あからさまに嫌な顔をするのだ。
米田さんも、直接、木佐貫さんに業務を振ってくれたらいいのに。
一番嫌なのが、木佐貫さんがとある手続きを完了してくれなければ私が取り掛かれない作業があって、それは今年に入ってから何度か作業に取り掛かって欲しいと頼んでいるのに一向に手を付けてくれない。
米田さんからも、いつ出来るのか?今月中に終わりそうか?と聞かれており、毎回、木佐貫さんからまだ引き継いでいないのでーとまるで告げ口のような感じで伝えなくてはならず、それが気まずい。
「米田さんから、今月末までに完了して下さいと言われています。私も、週一日しか出勤出来ないですし、作業にも時間が掛かると思うので・・申し訳ありませんがそろそろ完了して頂きたいのですが。」
実際、米田さんからは今月中に終わりそうか?と聞かれているだけで完了しろとは言われていないのだけれど。こうでも言わないといつまで経っても手を付けてくれそうもないので、嘘をついてしまった。
この台詞を何度も何度も心の中で暗唱出来るくらい繰り返している。
そして今日の朝、思い切って伝えるつもりだ。
気が重いし、嫌な顔をされるにきまっているが、もう間に合わない。
先週こそ、週一パートの貴重な一日。木佐貫さんにその件を再度お願いしたかったのに。
花山さんらがインフルで休んだせいで、他の業務が押し寄せてそれどころではなくなってしまった。
何度か頼んだ時の彼女のリアクションを思い出してげんなりする。
ーあー、はいはい。分かりました。後でやりまーす。(あー、めんどくさ。全部一人で出来ないかね。
ーちょっと今、それどころじゃないんで!!(空気読めないのかよ。ったく。
ーそれって今週中ですか?そうじゃないなら今日じゃなくてもいいんじゃないですか!?(うるっさいな。こっちは忙しいんだよ!そんなの後回しだっつーの!
ーえ?それは米田さんがやってることなんで。米田さんに聞いて貰えます!?(ちゃんと話聞いとけよ!聞く人間違うんだけど!
ーは?どういうことですか?それ、必要ですか?(ちゃんと確認してから聞きに来いよ!仕事止めんなよ!
どれもこれも、彼女の心の声が私を委縮させるのだ。
実際、本当に声に出てるわけではないし、私の妄想なのだけれど、態度や声色からそんな風に妄想してしまうのだ。
パワハラされているのではない。それでも、それ同様に彼女を刺激しないようビクビクと、今日の接触はうまくいくよう願うのだ。
お局の機嫌
