みんな働いている

ハンバーガー 仕事
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 パートがなかなか決まらず、焦っている。
今日の面接も、駄目だったかも。

 帰り道、目に付くのは、働いている人々。
昼時だったので、オフィス街はランチに出る会社員らがたくさん。
街頭で販売しているお弁当屋さんに長蛇の列。
生き生きと、私よりだいぶ年上のおばさんがお弁当を売っている。
それを横目に、面接で疲れ果てた私はふらふらとファーストフード店に寄り道。

「いらっしゃいませー!」

 威勢の良い若者達の声に混じり、なんと、70代かと思うくらいのシニア女性がレジに。
彼女も、若者に劣らずスピーディーな客対応。
もしかしたらここの社員だったのかと思うくらいにレジ操作も手慣れている。
私より20も上に見える女性なのに、孫くらいのアルバイト達と笑顔でコミュニケーションを取りながら丁寧に仕事をしている。
皆、社会の中で役割を持っている。
家だけではない、外に居場所がある。
消費するだけで自己完結の日々を送る人間からしたら、彼らを目にするだけで何とも言えない罪悪感が湧くのだ。

 老後になっても働かなくてはならない国、それが今の日本。
まだまだ彼らからしたらひよっこの私。
自分の能力を差し置いて、仕事を選び過ぎているのだろうか。


 座って出来る仕事は、競争率が高い。
今日の面接では、簡単なPC操作のテストがあったけれど、全然簡単ではなかった。
10問のうち、なんとか出来たのは最初の数問のみ。それだって合っていたか分からない。
一応、アラフィフで子どもが大きいことが売りだと信じ、面接では融通が利くこともアピールしてきた。それが功を成すかどうかは結果次第。

 最近、未経験可で最低賃金のところばかりを探して応募している。
自己評価が低いこともあり、あんまり時給が高いところは求められるレベルも高いだろうと敬遠してしまうのだ。
それでも今日の面接のように、未経験可で簡単なPC操作のみと記載されているところでも、蓋を開ければレベルの高いテストがあったりする。
いや、そもそも私のレベルが低過ぎるから高く思えるだけで、他の人からしたら簡単なテストなのかも。

 店内でバーガーにかぶりつきながら周りを見渡す。
PCを持ち込んで仕事をする人々。
窓の外には、花屋が見える。
エプロンを着用した小綺麗な中年女性が、客と談笑しながら色とりどりの花をアレンジメントしている。
みんな、働いている。
私も早く働かなくては。
オフィスワーク限定はもうやめて、ホームセンターとかドラッグストアにも応募してみようと思う。






 


 

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