給与明細

財布 仕事
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 一か月、必死こいて頑張った代償ともいえる給料日。
明細を貰った日、待ちきれず、退社後のトイレの中で封を開けた。
実は、常にいくら貰えるかの計算はしている。
それくらいしないとやっていけないから。
今日も4時間耐えた分、いくらになったのだという計算は、仕事に対する苦痛を少しだけ和らげてくれる。

 予想していた金額と違う数字の並びを見てぎょっとした。
自分が計算していたものよりだいぶ少ない。
気もそぞろで帰宅し、手洗いうがいを済ませると、お茶を飲んで一服する間も惜しんで電卓を取り出す。
もう一度、計算。
おかしい、やはり少ない。
勤務日数や時間は合っているのに、なぜ?
すぐに総務に確認したいと思いながらも、わざわざ電話をするのは憚れる。
勇気を出して、明日の出勤日に確認しなくては。
ただでさえ仕事が憂鬱なのに、それに輪を掛けての気の重さ。
ロクに仕事も出来ない癖に、請求だけはするんだなーなんて思われやしないかと不安になる。
誰に対して?総務が私の不出来を知っているのかいないのか。
中山さんにそれが伝わることなんてないと思うけれど、もし回り回って伝わったら彼はどう思うだろう?
ガメツイおばさんだと思うだろう。そんな風に思われたら、ますますやりにくい。
しかし、恰好付けてこれをスルーしたら、本来貰える額が5000円は少ない。
5000円ー、主婦にとって、私にとっての5000円は大きい。
私はガメツイおばさん。仕事が出来なくても、パートというのは時間を切り売りしているのだ。
権利はきちんと主張しなくては。





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