16時を過ぎると、すっかり夜の気配が漂う。
買い物を済ませ、自転車を走らせる。
そこでちょっと買い忘れに気付き、再びスーパーに戻るのは面倒で近くのドラッグストアに迂回した。
そこで、素敵ママや以前のお隣さんの住宅街に入り込んだ。
ーうわぁ・・・
目に飛び込んで来たのは、キラキラのイルミネーション。
どこもかしこも、まるで競い合うように自宅をデコレーションしていた。
電飾に縁どられたカラフルな家もあれば、最小限にブルーと白のツートンカラーでキラキラを演出している家もある。
各家庭のカラーが分かる。
興味本位で、素敵ママの自宅はどんなデコレーションをしているのだろうと見に行った。
辺りは真っ暗だし、マスクもしているし、もしバッタリ遭遇しても私だとバレないだろう。
そして、素敵ママの自宅が見えると息を飲む。
光の色は、暖色ひとつ。
キラキラと窓枠や壁に、センスの良い配置でイルミネーションが設置されている。
ゴテゴテしていない、だが寂しくない、丁度良い加減の光の量。それは絶妙に計算されているようだった。
庭の木々にもイルミネーションは設置されており、まるで流れるようにキラキラが時間差で流れる仕組み。
新築の真っ白な家の美しさを際立たせる、そんな飾りつけにうっとりしてしまった。
それに対し、以前のお隣さんのイルミネーションはごちゃごちゃしていた。
これでもかと色を使い、子どもは喜ぶだろうけれど、サンタやトナカイの光るオブジェもあちこちに。
目が痛くなりそうにチカチカして、ちょっと間違えれば近所迷惑?とも思える。
ただ、ここら一体の家庭が、みんなこぞってイルミネーションをしているのだから、そんな苦情は来ないのだろうけれど。
あんな光で家の中で落ちい付いていられるのだろうか?と余計なお世話だが心配する。
やっぱり、センスのある人は何をやらせてもセンスの塊なのだ。
殺風景な自分の家に戻っても尚、素敵ママのイルミネーションの残像が瞼を閉じれば残っていた。